3月2週のレース回顧〜天下のルメールを嫌うタイミング〜
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レース回顧
さて、週末の競馬の回顧を書こうと思いますが、正直な話、ちゃんとした時間をかけた回顧だと長く続かないので、2021年はサクッと短時間で書けるぐらいの量で回顧を続けていければと思います(メルマガでは通常営業でボリュームある回顧を書きます)
金鯱賞で最後方に悠然と構えて泰然自若の騎乗を見せたイタリア人に感化されたのか分かりませんが、日曜日の競馬終了後に無性にイタリア料理を食べたくなり、かといって自分の住んでいる田舎には家の近くにイタリア料理屋なんてあるはずがなく、急遽近くのまいばすけっとで買える食材でイタリアンを作成したのが、このサムネイルです。
ピザはさすがに出来合いのものですが、カルボナーラも卵黄から自作で作ったので割と凝って良いものができました。最近は緊急事態宣言で好き勝手に飲み歩くこともできないので、お酒を飲む量も極端に減っているのですが、競馬終了後の日曜日くらいは楽しくお酒を飲みたいものです。そのためには美味しい料理と予想の的中が必須だなと感じる今日この頃です。
本当はここでモンスター級に化けた前田大然の話とか、天国と地獄の話とか、いまハマってる友近のヒール講談の話とか書きたいのですが、いかんせん今週は競馬がフルボリュームすぎて時間が全くないので省略。すぐに競馬の話に移ります。
というわけで、早速競馬の話に移りましょう。
恒例の先週末の競馬の中で次走に注目したい馬のブログ版。これのフルボリュームverをメルマガでは毎週配信しておりますので、ご興味ある方は読んでみてください。
今週はフィリーズレビューからこの馬をピックアップ。
その馬名はブログランキングの先でご覧ください。
↓↓↓
<推奨根拠>
抜群の行きっぷりから4コーナーではいつでも先頭に立てるような手応え。ハイペースを前付けして最後は失速しましたが、優秀なスプリンターだろう。葵Sの有力候補だと思います。
<中山牝馬ステークス レース結果>
1着:△ランブリングアレー 7番人気
1着:◎ロザムール 5番人気
3着:▲フェアリーポルカ 6番人気
本当はロザムールは好きな馬で、条件戦時代から計4、5回は本命にして、しかもそのほぼ全てで好走してくれるので当たってばかり。ここまで安定して走ってくれて、キャラがはっきりしている馬ってなかなか素敵です。
ロザムールの長所は道悪馬場を苦にしないというのもあるのですが、最大の魅力は「競りかけられた時に抵抗して伸び返す根性」だと思います。どのレースを見てもいったんは馬群に飲み込まれそうになるのですが、そこから抵抗して伸び返す根性を見せています。それだけに今回は一瞬で交わされることのない馬場コンディションも良かったですし、4コーナーでスイープセレリタスに並びかけられたのも結果的に良かったかもしれないですね。
こういうデータや指数などでは現れてこない馬のキャラクターを知るというのはファンがレベルアップしている現代競馬では非常に重要。皆様もこういう「自分だけが知っている馬の個性」というのを色々とメモしておくと後の馬券に役立つと思います。
<フィリーズレビュー レース結果>
1着:▲シゲルピンクルビー 8番人気
2着:◯ヨカヨカ 2番人気
3着:無印ミニーアイル 11番人気
13着:◎ヴァーチャリティ 16番人気
ここは距離短縮ローテ組を重視で、その中でも全く人気のなかったヴァーチャリティを本命にしましたが、まぁ馬も鞍上もどちらも休み明けという感じで見せ場は作れませんでしたね。ただ、この馬の今までのレースぶりや適性からも16番人気で買えるなら本命を打ったことに何も後悔はありません。この人気帯の馬が毎回走ってくれるわけでもないので、一年に一度どでかいのをもたらしてくれればいいです。
結果的に距離短縮組の2頭がワンツー。今年は昨年ほどイン有利の馬場になるとは土曜時点では思っていなかったので、ヴァーチャリティから幅広く距離短縮組と同距離組を狙うことにしたのですが、結果的には今年も内枠の距離短縮組に絞ってボックス馬券で買えば当たった感じでした。ただ、日曜になって一気にここまでイン伸びになるとはなかなか想像できませんでした。
本番の桜花賞に向けては通用する馬は一頭もいないと見ていいんじゃないでしょうか。ヨカヨカあたりは展開に影響を与える可能性はありそうですね。
<金鯱賞 レース結果>
1着:無印ギベオン 10番人気
2着:◎デアリングタクト 1番人気
3着:無印ポタジェ 6番人気
10頭立ての競馬で8頭に印を打って無印の2頭が馬券圏内という非常に恥ずかしい結果なのですが、まぁギベオンとポタジェはさすがに同じく無印という人ばかりな感じがします(汗)
土曜日の大雨がどれくらい乾くかがポイントと見ていましたが、日曜メインまであまり乾かずに道悪適性が問われるような馬場コンディションに。ブラヴァスなんてノメり通しでまともに走ることができませんでした。
そんなほぼ道悪のような馬場で思い切って逃げたギベオンが絶妙なペースを刻んでそのまま逃げ切り勝ち。全馬の末脚が削がれるような馬場になったことで、ポタジェも同じくなだれ込むような感じで3着。しっかりと差し込んできたと言えるのはデアリングタクトぐらいだったので、この馬はしっかりと力の違いは見せたと思います。
それにしても西村騎手はお見事としか言えない逃げ切り勝ち。
昨年ぐらいまでの西村騎手のレースぶりを見ていると、とにかく積極的で前に行って残すことだけが特徴というイメージ。ローカル開催ではたびたび同型と競り合ってレース展開をぶっ壊すクラッシャーぶりを見せていましたから、こういう騎手は減量が取れると一気に落ちぶれるんだよなぁ・・・という気持ちで見ておりました。
ところが昨年の12月の中京開催あたりから明らかに騎乗のバリエーションが増えてきた感じで、小倉開催を見てもただ単純に前に行くだけではなく、展開を読んで好位に構えたりなど引き出しが多くなってきた印象。「これはもう一段、上のレベルでブレイクするかな?」と思っていたところで、この金鯱賞で十八番の積極策で大金星をあげました。やっぱり駆け引きも大事だけど積極的な競馬をしてくれる騎手というのはいいですよね。
西村騎手というとローカル開催で結果を積み重ねて自ら騎乗馬の質を上げさせてきたという叩き上げのイメージ。それだからこそ、若干能力の劣る馬でどう対抗するか、と色々考えて乗っているなぁということをひしひしと感じます。
坂井劉星騎手や岩田望未騎手あたりのエリート教育とは正反対のキャリアだと思いますが、個人的には西村騎手の方が好き。坂井騎手や岩田騎手はデビュー時からトップ厩舎で一流の馬に乗れているせいで末脚の引き出し方などは上手いのですが、若手らしい勢い、ハングリーさみたいなのを感じないのです。その点、西村騎手はまず勢いとハングリーさがあって、そこから自在性と技術を身につけてきた感じがあって、こういう成長過程の方がうまく行くんじゃないかと思ってしまいます。
若手の頃はチャンスの少ない馬でどう勝つか、という命題に悩んでナンボだと思うので、ちょっと平場の1勝クラスでバスラットレオンに減量で乗せてもらうというのはさすがに甘やかしすぎだと思うんですけどね・・・(苦笑)
ここで今回のブログタイトルにも書いた通りでルメール騎手の特徴について簡単に感じた事を書いてみましょう。なぜ書こうと思ったかと言えば、金鯱賞のサトノフラッグがこちらの想像した通りに乗ってきたからというのもあり。
今回の金鯱賞の予想の時にもサトノフラッグのところで書きましたが、、、
「もうルメールが乗るというだけが強みな感じで、期待していない馬なら勝ちに行っての先行策を取るはず。展開には恵まれそうだが、あとはルメールパワーでどこまでやれるだろうか。」
実際のレースでもサトノフラッグは2番手を取りに行って積極的な騎乗をしましたが、馬の力が足りずに惨敗。それでもギベオンが逃げ粘ったレースでしたから前に行った判断はあっていたでしょう。
先週の弥生賞もシュネルマイスターに乗って驚きの2番手の位置をとって2着に好走。この2週のルメールの騎乗ぶりを見てもそうですが、ここ1年ほどの騎乗内容から明らかな傾向が見て取れるように思います。
(1)重賞で期待している馬に乗る時は馬を信頼して位置取りを気にしないリズム重視の騎乗
(2)重賞で期待していない馬に乗る時はとにかく位置を取りに行く
(3)平場のレースではだいたい人気の強い馬に乗るのでとにかく位置を取りに行く
ルメール騎手の騎乗はだいたいこの3パターンになるんじゃないでしょうか。
まず(1)はアーモンドアイやグランアレグリアのようなタイプの馬に乗る時。もうこういう馬に乗る時は位置というよりも馬のリズム重視の競馬をしてきます。どう乗ったって勝てるという自信があるからでしょう。
一方で(2)のようなパターンは、もう皐月賞でオーソクレース、グラティアスと2頭もお手馬がいる時の弥生賞のシュネルマイスターのようなパターン。または金鯱賞のサトノフラッグにしても天皇賞(春)ではアリストテレスに乗るのが決まっているでしょうから、別にここで教育的な騎乗をする必要がない。
ルメール騎手は「どうせ日本競馬なんてほとんどの確率でスローになる」と思っているんでしょう。イメージよりもムキムキで腕の力が強い騎手ですから、序盤で前に出していっても折り合える自信があるのでまず確実に先行してきます。
そして最後は(3)の平場のレース。重賞よりも各馬の実力差がはっきりとしていることが多く、その中でもノーザンファームの一流馬で一番強い馬に常に乗っているわけですから、だいたいは「位置取りさえミスしなければ勝てる」ことが多いというのが前提。
そんなわけで平場のルメールは基本的に前に行って好位で折り合うという戦法を取ってきます。まぁその位置で競馬されちゃったら馬券内に来ちゃうわな、というレースが多いわけで、このあたりは穴党泣かせな部分でしょう。
と、ここまでがルメール騎手の騎乗特徴について書いてきましたが、ここからはそれを利用したぶっ飛びポイントを2点ご紹介。ほとんど弱点がない騎手なのでポイントは2つです。
[1] 前に行ってハイペースに巻き込まれてぶっ飛ぶ
[2] 前に行ってはダメな馬で前付けしてぶっ飛ぶ
のこの2点がルメール騎手を嫌うべきポイントでしょう。
基本的に平場 and 重賞で期待していない馬の時には「前付け」するのがポイントで、いくらルメール騎手でも前目で折り合う事はできても、ハイペースを遅くする事はできません。そのために「あ、良い位置取ったな」と思っても、差し馬が台頭してくるレースでは早々に諦めて失速というケースは結構よく見ます。
そしてもう1点が重要だと思うのですが、サラブレッドも色々とキャラクターがあるので前に行ってはダメな馬というのもわりと多くいます。
じっくりと道中は溜めに溜めて直線での末脚勝負に徹しないとダメな馬もいるのですが、こういうタイプでもルメール騎手はわりと気にしないで前に行きます。その典型例が日曜の中京10Rのメイショウドウドウでしょう。
この馬はじっくりと溜めて直線勝負に徹してこその馬で、2走前も蛯名騎手が早めに動いてしまって伸びきれなかった。そんな馬でルメール騎手はスッと位置を取りに行って前半から脚を使ってしまう騎乗。それに加えてここは超ハイペースにもなりましたから「THEルメールが飛ぶ典型例」という感じのレースになりました。
もう1つ例を出すとキャピタルステークスのカテドラルも完全にルメールの飛びパターン。
この馬も折り合い重視でじっくりと運ばなければダメな馬ですが、ルメール騎手がテン乗りでスッと位置を取りに行って何もできずに惨敗。次走で田辺騎手に乗り替わって溜める競馬で一変して重賞2着と穴を開けました。
おそらくルメール騎手は「前に行っても折り合える」という自身の騎乗技術と筋力に絶対的な自信があるのだと思います。それに加えて、名実ともに抜けたナンバーワンジョッキーですから調教師さんからしても「ルメールに乗ってもらえる」という事で基本的にはノーオーダーでお任せの騎乗になることが多いはず。メイショウドウドウやカテドラルにしても普通のジョッキーにお願いする時は「じっくり運んでくれ」と指示を出すのでしょうが、ルメールにはあんまり言えないという事情もあるんじゃないでしょうか。
完全無敵で嫌いどころがないように見えるルメール騎手ですが、わりと騎乗パターンは分かりやすくて、間違いなく騎乗技術が上手いからこそそのルメール騎手の上手さを逆手にとって嫌えるタイミングもあるということ。ただ、それをするにもメイショウドウドウやカテドラルのような馬が「溜めなきゃダメ」と知っていなければいけないので、地道なレース回顧が必要になってくると思います。
というわけで、長くなったのでルメールのお話はここまで。
今週は週末に「阪神大賞典」「スプリングS」「フラワーC」「ファルコンS」と4つ重賞がある上に、火曜と水曜には「黒船賞」「ダイオライト記念」と地方重賞も2つあります。
その上で先週のJRAの全レースの見直しもしなければいけないわけで、おそらく1年で最もきつい1週間になりそう。
しかも来週はこれまた4重賞あるのに加えてドバイ国際競争もあります。凄まじく大変で呑気にサウナも行ってられずに仕事場に監禁状態になりそうですが、それでもここまで競馬が盛り上がるシーズンですし、楽しみながらもしっかりと当てていきたいと思います。
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