【ローズステークス2017の予想ヒント】ファンディーナ、アドマイヤミヤビなどの有力馬考察
公開日:
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最終更新日:2017/09/13
重賞レース考察・予想
ローズステークス2017(阪神芝1800m)の考察です。
9月17日に阪神競馬場で開催され発走時刻は15:35です。出走馬はファンディーナ、アドマイヤミヤビ、リスグラシュー、レーヌミノル、モズカッチャンなど。阪神競馬場の芝1800mで行われるGII戦です。
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ローズステークス 2017 考察
出走有力馬考察
ファンディーナ
年明けの1月時点で既に3歳牝馬はハイレベルというのが定説になっていた頃。新馬戦の1レースだけでその勢力図を一気に塗り替えそうになった女傑候補。
新馬戦は雨の影響でかなりタフな馬場をスローペースから一気の加速勝負で後ろを突き放して1.5秒差の勝利。もうこれだけ見ても牡馬含めて世代1、2の存在だと思いましたが、その後の2戦を見てもその能力は圧巻。
つばき賞はタガノアスワドが前半1000mを64.1という超スローペースで逃げる展開。それを初戦とは違って好位に控える競馬から上がり33.0の末脚を使って差し切り勝ち。この日の馬場はかなり時計がかかっており、この馬が叩き出した上がり時計はちょっとおかしいレベル。
フラワーカップは相手が弱すぎたとはいえほぼ馬なりのような手応えで勝利。その後は皐月賞に向かい、牡馬相手で断然の1番人気に支持されるも7着という結果。この敗戦のおかげで世間的には「天井が見えた」馬となりそうだが、この皐月賞は普通に負けて強しの内容。
12.1 – 10.8 – 12.2 – 11.7 – 12.2 – 12.4 – 11.9 – 11.4 – 11.4 – 11.7
中山芝2000mらしいかなり締まったポテンシャル勝負になり、高速馬場だったとはいえスピードも持久力もどちらともハイレベルに問われた一戦。この馬は好位追走から直線で早め先頭の競馬。このレースラップでそんな競馬をして0.3秒差なら普通に強いですし、上位2頭がマイラーだったことを考えても、今までスローからの決め手勝負だけを戦ってきたこの馬がいきなりこんな展開で少差にまとめたことは評価すべき。
今回は恐らくは前半がそこまで速くならない阪神芝1800mの条件。この馬は前に行くタイプの脚質の馬ではありますが、根本的には脚を溜めて末脚を活かしたいディープインパクト産駒。脚の溜まらない小回りの2000mなどよりは断然いいはずで、有力馬の中では一番前の方の位置で競馬ができる点もプラスだろう。どちらかというと今回よりも皐月賞と同じようなレース質になりやすい秋華賞の方が不安。
不安点は明らかに休み明け仕上げで調教が軽い点。ただ、アドマイヤミヤビやリスグラシューあたりも明らかに先を見据えての調整だけに、ハイレベルな上位勢の中の比較では状態面も互角と見ます。
<ファンディーナの中間評価>
皐月賞の敗戦で天井が見えたという評価もあるが、その皐月賞とてレースラップを見れば非常に強い競馬をしている。今回は休み明けの緩め調整だけが不安だが、前半でゆったり流れて終いの決め手勝負になりやすい阪神芝1800mはベストに近い条件だけに、7割ぐらいの仕上げでもここは勝ち負けになりそうだ。素質に疑う面はないだけに仕上がり面を重視したい。
アドマイヤミヤビ
新馬戦こそハーツクライ産駒の運命か3着に終わったが、次走の未勝利戦を圧勝。その後は百日草特別→クイーンCと圧巻の強さを見せ、桜花賞でまさかの大敗を喫するもオークスでは非常に強い競馬で3着に突っ込んできました。
もう少しでも競馬を見ている方なら分かると思いますが、オークスで一番強い競馬をしていたのはアドマイヤミヤビ。
12.7 – 11.6 – 12.8 – 12.6 – 12.0 – 12.3 – 12.3 – 12.1 – 11.6 – 11.3 – 11.2 – 11.6
前半はゆったり目で進みながら4コーナーから4ハロン連続の加速スパート戦に。この週の馬場は完全にイン先行有利でしたし、この状況でソウルスターリングにこの横綱相撲をされてしまっては、外を通った差し馬の出番がないのは当たり前。
普通であれば10着ぐらいに大敗しておかしくない展開でしたが、アドマイヤミヤビは1頭だけ外から突っ込んできての3着。完璧にインを立ち回ったディアドラを交わしての3着で、そのディアドラが紫苑ステークスを制したのを見てもこの馬がどれだけ強い競馬をしたのかは明白でしょう。
もうハイレベルな3歳世代の牝馬の中でもこの馬は1、2を争う存在なはずで、秋華賞の結果次第ではエリザベス女王杯でなくジャパンカップでもいい勝負になりそうな馬。
唯一の懸念点は桜花賞を惨敗したことで、一説では道悪馬場がダメだったんじゃないかという事。今週末は日曜と月曜に雨の可能性あり、再度の道悪馬場になるとどうなのかという点は少し心配。ただ、未勝利は稍重の阪神芝1600mで強い勝ち方を見せており、春の阪神開催の最終週に行われる桜花賞での道悪とこの時期の阪神芝で行われる道悪ではタフさのレベルは違うのかなという気もします。
それに桜花賞のレース映像を見直しても、スタートで出遅れてマイルのペースについていくのにかなり苦労していましたし、その上で直線で大外に回された後、最初は伸びる気配を見せていましたが、最後は自分で走るのをやめてデムーロも無理に追うのをやめていたような感じがありました。陣営の裏話ではゲート内でトイレをしていたようですし、トイレ後にいきなりあんな馬場で忙しいマイルのペースで走っていたらそりゃ直線も走る気をなくすよね・・・という感じもします。
阪神芝1800mはこの馬にとってベストコースという感じもしますし、状態面が7割以上ならば馬券圏内は鉄板だと思います。
<アドマイヤミヤビの中間評価>
オークスの内容だけを見てもこの馬はハイレベル3歳世代の牝馬でも屈指の存在。阪神芝1800mという条件は長く良いパワフルな末脚を使えるこの馬にとってベストに近い条件なはずで、状態面7割以上なら馬券圏内は鉄板か。
リスグラシュー
当初、この世代の牝馬の中で一番最初に頭角を現したのがこのリスグラシュー。
ハーツクライ産駒だけあって新馬戦こそ2着だったが、次走の未勝利戦を阪神芝1800mで破格の時計で勝利。その後のアルテミスSもなかなか強い内容で勝利し、阪神ジュベナイルフィリーズは出遅れて2着だったが、その後もこの世代の牝馬の上位としてGIでも上位争いを続けてきた。
ただ、オークスの内容を見ても後ろからの競馬は厳しかったとはいえアドマイヤミヤビとは脚力差は歴然。チューリップ賞でもソウルスターリングに完全に力差を見せつけられていますし、この世代の超一線級の馬たちと比べると少し劣るかなという印象。
桜花賞では武豊騎手が全くロスのないインサイドアウト騎乗を決めていますし、馬場や展開、アクシデントのおかげでソウルスターリング、アドマイヤミヤビ、アエロリットといったところが不発に終わり、その分完璧な競馬ができての2着という感じがした。
もちろんここでも能力上位にはなるが、ファンディーナとアドマイヤミヤビに比べれば能力差はありそうですし、チューリップ賞でも仕上げてこなかった矢作厩舎の調整法を見ても今回はそこまで上位評価とすべき感じはしません。
<リスグラシューの中間評価>
強い馬ではあるがハイレベル3歳牝馬の中では次点評価。オークスでアドマイヤミヤビに完全に力差を見せられていますし、よほどの成長がなければ逆転は難しいか。上位2頭が普通に強そうなことを考えても、わざわざこの馬まで上位評価としなくてもいい感じはします。
モズカッチャン
後付けで考えてみれば小倉芝の未勝利勝ちが非常に強いパフォーマンス。
12.4 – 11.0 – 12.0 – 12.0 – 12.8 – 13.2 – 12.3 – 11.8 – 11.4
若駒にとって厳しい小倉芝2000mの舞台で、道中そこまで緩んだペースではない中、最後は加速ラップで突き抜けての勝利。その後の500万がメンバーレベル低い上に馬場が重くて時計がかかったことでこの馬の評価を迷わせたが、その後にフローラSとオークスで連続好走したのを見ても、この未勝利勝ちぐらいから馬は化けていたんだろう。
もう一つここ2戦の激走を紐解くヒントとして、この馬は溜めてからの加速勝負に強い印象。フローラSでも最後の加速時のストライドは猫科のようなバネがありましたし、オークスでも残り1ハロン地点での加速はソウルスターリングを負かすんではないかというものがありました。この馬はハービンジャー産駒ながら瞬発力勝負に秀でた馬なんじゃないかなと思います。
この馬は名前もカッコ悪いし地味なんで、基本的には人気しないならばずっとお付き合いしていくべき馬だと思うのですが、今回は本当に意味のわからないデムーロへの乗り替わり。
ご覧の通りでここ2戦は1枠1番から和田騎手がこれ以上ない完璧にファインプレイ。フローラSとオークス週はどちらもイン有利の馬場で、どちらもスローペースで前有利な展開。そんな馬場と展開で和田騎手が完璧に乗っての連続好走だった点は否めない。
今回は阪神芝1800mに変わって騎手もデムーロに変更。再びの1枠1番の可能性は低いでしょうし、和田騎手なら5、6番人気だった可能性はありますが、デムーロならば人気は確実。オークスの内容を見ても一瞬の末脚は見所十分でしたが、全体的なパフォーマンスとしては4着馬ディアドラとそう変わらない感じ。今回のハイレベルなメンバーを考えると人気なら少し割り引いた方がいい感じはするが・・・
<モズカッチャンの中間評価>
未勝利勝ち頃から馬が化けた印象。ハービンジャー産駒ながら一瞬の決め手を活かしたいタイプで、ここ2戦は馬場と展開と枠順が全て向いた好走だった感じは否めない。それでもオークスの内容から強い馬だとは思うが、今回はここ2戦よりは条件が好転するとは思えず、デムーロへの乗り替わりで人気となると買い時にはあまり見えない。
レーヌミノル
小倉2歳ステークスの圧倒的な内容と、フィリーズレビューの暴走ぶりを見る限りマイルの距離がギリギリで、桜花賞は色々恵まれたの勝利というイメージでいた馬。オークスの敗因は間違いなく距離だろうが、芝1800m自体も長いという印象で当初はバッサリと切るつもりでいた。
ただ、色々と映像を見直しているとオークスでもしっかりと折り合いはついており、そこまで距離がダメという印象はレースぶりからはない馬。この馬に関しては年明けのクイーンカップとフィリーズレビューの浜中騎手の乗り方がダメすぎた、というのが全てな感じで、池添騎手に乗り替わってからの2戦は折り合いもピッタリついており1800mぐらいなら持って良さそう。全姉ダイワストリームや半姉ダイワデッセーも距離は1800mまで持ちました。
ただ、この馬の良さは溜めての末脚ではなくスピードの持続力面。その意味で距離は持つけど本質的にはスプリンターという感じは否めない。阪神ジュベナイルフィリーズの内容を見ても溜めて追い出してそこまでキレる脚は使えませんし、末脚の絶対値が問われる阪神芝1800mでは相対的に劣る感じがします。
桜花賞はその末脚の絶対値要素が道悪で問われなかったのが良かった感じで、今回は良馬場での追い比べ戦になるとすれば重い印は打たなくていいはずです。
<レーヌミノルの中間評価>
スプリンターのイメージ強いが、それは年明け2戦の浜中騎手のダメ騎乗に起因。池添騎手になってからは折り合いついており、芝1800mぐらいならば持ってもいいはず。ただ本質的にスピードの持続力を活かしたいスプリント寄りの馬なはずで、溜めてずば抜けた脚を使える馬ではない。末脚の絶対値が問われる今回の条件では評価を下げていい。
考察まとめ
というわけでローズステークスの有力馬をザックリと考察してみましたが、一見すると上位人気馬でガッチガチになりそうな印象のレース。
ただ、ローズステークスはそれなりに人気馬は好走してくるものの、毎年だいたい何か大穴が突っ込んできて荒れるというのが定番のレース。後から振り返ってみると「なんであの馬の成長をあの時に見抜けなかったんだよ・・・」というようなケースが多く、春の実績馬に対抗できるだけの上がり馬をいかに見極められるかというレースだと思います。
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