高松宮記念 [2] 思ったより差しが決まらない可能性
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GIレース考察・予想
園田競馬場に来ました。
園田も得意なコースの一つ。この競馬場は外枠から2、3番手につけられる馬に追える騎手が乗れば狙い目です。
スパート箇所が2箇所しかなく、1コーナーに入る位置取りで6割がた勝負が決まり、あとの3割が3コーナー手前、1割が直線ていうイメージ。
1コーナー曲った付近でいきなりペースが落ちて、3コーナー手前でスパートが始まる感じで、まず1コーナーを好位で入らないと無理、基本的には内が有利に見えますが、最初の1コーナーまでの距離が長いので外の方が被せることができるんですよね。
あと案外、この競馬場は断然の一番人気とかが結構飛ぶので楽しいです。大荒れはしないですが、人気馬の着順の入れ替わりとか多いですからね。
差し有利の下馬評が多いが・・
中京芝1200mは外枠の差し馬が有利
この定説は合っていますし、ペースが上がる上級クラスになればなるほど使える定説と言えます。
恐らく競馬新聞、競馬雑誌、その他予想ブログでも差し狙いを提唱する一週間となるでしょう。
では、高松宮記念は外枠の差し馬を狙い撃ちすればいいのでしょうか?
そんな簡単に高松宮記念はいかないと私は考えています。
理由は3点。
(1) 内有利の現在の中京の馬場状態
これは前回お伝えした中京の芝の状態のことです。
ここ2週の傾向を見ても、有利なのは断然内の馬。そうなると必然的に外差しが決まらない分、前にいる馬が相対的に有利になります。
今週はいきなり外差し馬場になる可能性もありますが、土曜もイン伸びの傾向が見られそうだったら、意外に差しが決まらないレースになるかも・・・
(2) 過去の高松宮記念の結果
新装中京になってから3回高松宮記念が行われているが、去年は道悪で割り引きとしても、その前の2年も前半3Fが34.3と34.5。
特に2013年のレースなどはハクサンムーン、メモリアルイヤー、アイラブリリと行きたい馬が揃っても牽制しあって結局ペースはミドルに落ち着き、大穴のハクサンムーンが逃げて3着に粘った。
このように少ないデータではあるが、新装中京になってからの高松宮記念はそこまで前半が早くないラップを刻んでいる。
そしてその結果として、
【2014年】
1着:コパノリチャード 2-2
2着:スノードラゴン 13-13
3着:ストレイトガール 7-8
4着:エーシントップ 1-1
5着:ハクサンムーン 14-13
【2013年】
1着:ロードカナロア 9-7
2着:サクラゴスペル 12-11
3着:ハクサンムーン 1-1
4着:サクラゴスペル 4-4
5着:ダッシャーゴーゴー 7-7
【2012年】
1着:カレンチャン 2-2
2着:サンカルロ 10-12
3着:ロードカナロア 4-4
4着:ダッシャーゴーゴー 4-4
5着:マジンプロスパー 3-2
ご覧いただければわかるが、思ったよりも追い込みが届いていないということがわかる。
逃げ馬は2年連続で3、4着に大穴が粘っているし、基本的に好走しているのは2〜7番手くらいのある程度の位置につけられる馬だ。
中京芝1200mはテンから出していったら潰れる、という騎手心理が働いてペースが落ち着くのかもしれないが、この傾向からいって今年はハイペースと最初から決めつけるのもどうだろう。
(3) アンバルブライベンの存在
今回は前へ行きたい馬が多数揃ったが、その中でもアンバルブライベンの存在がペースに非常に大きな影響を与えると考えている。
この馬は圧倒的にテンのスピードが早いために確実にハナを奪える馬で、この馬に絡んだら潰れる事はみなわかっているので誰も絡もうとしない。その結果として単騎逃げで楽なペースに落とすことができるので、自分に有利なペースを自分で作れる、といったタイプの馬だ。
今回はハクサンムーン、コパノリチャード、ミッキーアイルといった先行タイプが揃ったので=ハイペースの外差し決着という見方が多い。だが、アンバルブライベンに競りかけていけばハイペースになって共倒れになることはどの陣営もわかっている。
ハクサンムーンは昨年のセントウルSで番手からの競馬に成功しており、コパノリチャードは昨年番手からの競馬で勝利している。ミッキーアイルも前走、溜める競馬で結果を出しており、この3頭に関してはアンバルブライベンと違って何が何でも行かなくてもいい馬ではある。
ペースのカギを握るのはハクサンムーンだろう。
鞍上の酒井学騎手が読みづらい。前走オーシャンSではハナを奪っての好走だっただけに、この馬はやはりハナを叩いた方がいいという考えを持った可能性はある。それでハナ主張でいった場合、田中健騎手と酒井学騎手だと意地の張り合いになることは想定の一つとしてはある。
このへんは枠順も関わってくるが、あっさりアンバルブライベンがハナを奪えば、そこまでペースは速くならないと見ている。少なくとも33秒台にはならない。そうなれば近年の傾向と先週の馬場状態を見れば、好位で差せる馬がベストだろう。
メンバーを見ても、前へ行きたい馬と、差したい馬ではっきり分かれており、中団につける馬に展開が向く可能性はある。
先週の内有利馬場が継続し、なおかつミスプロバイアスが働いていた場合。今回の想定のようにあまりペースが早くならなければ、内枠が条件だがこの馬は相当面白いと思う。
前走もインを突いて差のない競馬。父はミスプロ系で、上がりのかかるコースも合う。今のところの本命候補3頭の内の1頭はこの馬だ。
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絶対的な存在だったロードカナロアが去った後のスプリント界は、春の高松宮記念をコパノリチャード、秋のスプリンターズSをスノードラゴンが制したものの、どちらも馬場が悪い中で行われ、ハッキリ言えばスピード勝負ではなく、道悪適性が問われるだけのレースだった。ハッキリ言えば、先に繋がる1戦ではなかった。つまり、スプリント界は未だに混沌、どんな馬にもチャンスがある状況だ。
今年の顔ぶれも、昨年の覇者コパノリチャード、復調気配が見える実力馬ハクサンムーンにミッキーアイル、G1制覇まであと一歩が続くストレイトガール、勢いのあるアンバルブライベンなどなど、多士済々な満面。更には、昨年の香港スプリントを制覇したエアロヴェロシティが海外から参戦。馬券的には絶対に面白いレースではあるが、当り障りのない公式コメントや、まばらに散った新聞の印だけを頼りに馬券を買うようで、的中に近づくことなど不可能に近い。
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