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桜花賞 [1] ルージュバック1強説に対して物申す

公開日: : GIレース考察・予想

先週は2場開催だったのでラップ分析もレース回顧もだいたいもう終わりました。

ビバ2場開催!!

本当に2場と3場でここまで作業量が違うか、というくらいに楽です。2場開催の翌週くらいですよ、楽できるのは・・・

とも思いましたが、今週はGI桜花賞があります。

楽をしようと思いましたが、空いた時間をその分桜花賞に全力でぶつけるほうが良さそうですね。個人的に春一番の勝負レースとして位置付けています。

さて、既にラップ分析を終えましたが、気づいた点は2点

・中山の芝コースのラップが異常

・先週開催で1頭化け物がいる

もうラップタイムを見慣れてくると、その数字を見るだけでだいたいどんなレースでどんな脚質の馬が勝ったかとかがわかってきます。

先週の中山芝コースの日曜開催からのラップは本当に異常です。もうこうなれば来週以降の狙いは一つ・・・恐らくこのラップ読みから狙える馬は絞れるはずです。

また先週開催で一頭化け物がいました。

ラップ通りに馬の能力を判断すれば「歴史的名馬」です。まぁその通りにならないのが競馬なのですが、この馬には以降逆らわないほうがいいでしょう、とまで思わせるラップタイムには久しぶりに会いました。

と、こんな感じの内容を徹底分析メルマガ「競馬をビジネスにする」の全レース回顧でボリュームたっぷりにお伝えします。

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ルージュバック1強と騒ぐメディア

なんだか今年の桜花賞は既に決まった感の報道されていませんか?

歴史的名牝ルージュバックの二冠は確実!

どこのメディアを見ても推すのはルージュバックばかり。ちょっとこのムードには「ん??」という気持ちでおります。

というのも私、きさらぎ賞終了時点から

ルージュバックは言われてるほど確勝馬ではない

とずっと思ってきたからです。

 

これが、毎回1番人気を適当な理由をつけて嫌う予想家だったら、またこじつけ述べてるわぁと思って聞いていただければ良いですが、私の去年の桜花賞の印は

1着:◎ハープスター(1番人気)
2着:◯レッドリヴェール(2番人気)
3着:△ヌーヴォレコルト(5番人気)

と、ガチガチな本命予想でした(笑)
このように私は基本的に穴党ではありません。
1番人気でも強いと思う馬がいればそこから入ります。

その昨年ハープスターにグリグリの◎をつけた私が、

今年はルージュバックは本命にしません

これならただの穴党の戯言ではないと理解していただけるでしょうか。

加えて、恐らくですが、

ルージュバックを対抗にもしません

 

ブエナビスタやハープスターといった圧倒的人気馬が能力通りに勝つケースの多い桜花賞。ただし、今年のルージュバックには頭固定で安心できる要素が少ないように感じます。

 

ルージュバックの不安要素

ざっと挙げてみただけでもルージュバックの不安要素は7つあります。

昨年のハープスターは不安要素が「脚質」しかありませんでした。それで単勝1.8倍ならば、だいたい2回に1回くらいは勝つという期待値で言えば本命でも問題なかった。

恐らく今年のルージュバックも単勝2倍前後の人気になると思います。

2回に1回勝つほどの期待値があるのか、きちんと見ていきたいです。

 

キャリア3戦で10頭以下の少頭数レースしか経験なし

この馬にとって最も不安なのはこの事実でしょう。

確かに3戦3勝でどれも非常に強い内容のレースでしたが、その強さは少頭数での瞬発力勝負で見せたものでした。

今年の牡馬・牝馬クラシックの鍵は

「フルゲート多頭数への対応力」

だと私は思っています。

2歳重賞やオープンが再整備されたため、クラシックへの道筋が多様化した一方で、ひとつのレースにあまり馬が集まらなくなって、少頭数で行われるレースが多くなった。

その結果、どのレースも少頭数での瞬発力勝負になることが多く、多頭数で揉まれたことのない馬や、消耗戦を全く経験していない馬がクラシック本番に結構やってきます。

ただし、皆さんもご存知でしょうが、クラシック本番になるとそれまでのトライアルと違って、一気に厳しいペースになります。

ここで活きてくるのがフルゲート多頭数での経験があるかないか。

このルージュバックにはそれがない。そしてルージュバックが今まで走ってきたレースのラップ推移を見てみると、

新馬戦(1800m)   41.0 – 33.2 9頭立て

百日草特別(1800m) 36.2 – 34.7 10頭立て

きさらぎ賞(1800m) 36.3 – 34.9 8頭立て

と3レース全てが前半3Fが後半3Fよりも2秒近く遅いという後傾ラップ。

 

では逆に過去3年の桜花賞のラップを見てみると、

【2014年】ハープスター    33.8 – 36.3 18頭立て

【2013年】アユサン      34.8 – 36.1 18頭立て

【2012年】ジェンティルドンナ 34.9 – 35.3 18頭立て

過去3年の全てが前傾ラップになっており、フルゲートでのかなり厳しいペースでのレースを強いられます。

ここにルージュバックは出走してくるんですよ?

馬の能力は高いことは認めますが、果たして少頭数のぬるい競馬しかしてなかったこの馬がフルゲート多頭数の揉まれる競馬になっても確勝級なのか。

加えて内枠でも引こうものなら、この時期の牝馬です。

内枠を引いたらルージュバックは馬券外まであるんじゃないかと思っています

世間が全く無視していますが、このフルゲート多頭数を経験しているかは非常に重要なファクターと思っています。

 

初めてのマイル戦

フルゲート多頭数問題ともちょっと関わってきますが、

ルージュバックはマイルの距離が初経験

これも見過ごしてはいけない事実だと思います。

確かに阪神マイル戦はマイル以上の距離適性が要求される本格的な舞台ですし、今の桜花賞はオークスにも直結しますからそれだけ中距離適性が要求される舞台とも言えるでしょう。

ですが、本質的にマイルと中距離ではレースの性質は異なります。

テンに急がせて末脚を使えるか

これがマイルを走れるか走れないかのポイントだと思うのです。

先にも申したようにルージュバックは中距離の少頭数の瞬発力勝負戦で勝ち上がってきた馬。スタートからゆったり入って最後の瞬発力勝負で勝ってきた馬です。

その馬が桜花賞では恐らく、

テンからある程度はスピードについていかなければいけません

そのスピードに対応できれば、終いの末脚は中距離適性が要求されますから異次元の末脚で圧勝することもありえるでしょう。

ただし、テンを急がせて終いの脚が使えるかなんてまだ誰もわかりません。

その馬が断然人気の一番人気に支持されるとなると・・・

 

どう見てもオークス>桜花賞向きなレース内容

今まで見てきたことと、これまでのレースぶりを見ていて、

ルージュバックはオークスでは本命、対抗を打つべき馬

と私は考えています。

新馬戦こそ異次元の末脚を見せましたが、ルージュバックって

使いたい時に一瞬の末脚を使えるタイプではない

と私は思っています。

どのレースを見ても勝負どころで手応えが鈍る傾向。ただし、その不安を一瞬でかき消すかのように加速して伸びてきます。

だから、この馬は瞬発力も超一流ですが、

一番のセールスポイントは長くて良い末脚

だと思っております。

ストライドも優雅ですし、今まで使ってきたレースを見ても陣営は桜花賞よりもオークスに適性があると考えているんだろうなというのは想像がつきます。

だからオークスではこの馬に無闇に逆らわないほうがいい。だけど桜花賞では逆らう余地がある、と思っています。

 

マンハッタンカフェ産駒という不安

それでもまだルージュバックがディープインパクト産駒であれば、血統から推測される異次元の瞬発力によって桜花賞も難なくこなしてしまうだろうとは思いました。

ですが、

ルージュバックはマンハッタンカフェ産駒です

マンハッタンカフェ産駒だから「まだ全幅の信頼は置けない」というのはおかしな話ではありますが、少なくとも今の競馬界においてディープインパクト産駒以外の牝馬はまず怪しんだ方がいい。

あのレッドリヴェールでさえいきなり走らなくなりました。それだけ牝馬というのは難しい生き物で、信頼して買える牝馬はディープインパクト産駒ぐらいです。

マンハッタンカフェは面白い種牡馬で、現役時代は自身は長距離戦線で活躍しましたが、産駒は短距離〜長距離までバリエーション豊かな子供を残しています。

ジョーカプチーノなどのスピード系は早くから活躍しますが、レッドディザイア、ヒルノダムール、フミノイマージン、ショウナンマイティといった中距離の一線級になった馬たちはだいたいが3歳秋以降に初重賞を取っている。

ディープインパクト産駒のように、きっちりと3歳春クラシックに向けて成長してくるかどうかは怪しいです。

 

関東馬の直前輸送

代表例はアパパネですが、

現在の関東馬の桜花賞制覇へのスタンダードは栗東滞在です

栗東滞在のメリットは、とにかく輸送のリスクがないので、直前まで負荷をものすごくかけられること。そうすることで極限に近い仕上げへ持っていけることでしょう。

究極の仕上げは馬のテンションを上げる諸刃の剣です。だからこそ、今まで活躍してきた陣営のほとんどは栗東滞在の道を選びました。

ですがルージュバック陣営は直前輸送の道を選びました

そしてその上で、

一週前追い切りから極限の負荷をかけています

きつい調教をしてもダメージを負わないというのが強みの馬だそうなので、陣営としてもきさらぎ賞で輸送はクリアしているから美浦で仕上げての直前輸送でもOKという判断なのでしょう。

ですが、

きさらぎ賞の仕上げで輸送はクリアできても、桜花賞の仕上げで輸送はクリアできるのか?

きさらぎ賞は恐らく輸送も考慮した仕上げをしていたでしょうし、それで輸送はクリアしたとしても、今回は輸送なんて考慮しない究極の仕上げにするはずです。それで直前輸送でも影響は出ないのかは果たして疑問。

そういったリスクがあるからこそ、先人はみな栗東滞在の道を選んだわけです。

大竹正博厩舎はまだGI勝ち馬を出していない厩舎です。GIを獲るためのセオリーが確立されていない厩舎の馬で、常識はずれの直前輸送を行ってくる馬が断然人気になる。

この事実は知っておくべきでしょう。

 

王道ステップレースを使わなかった不安

近年はエルフィンSから桜花賞を制したマルセリーナや、クイーンCから直行して2着に食い込んだヴィルシーナ、阪神JFから直行して2着のレッドオーヴァルなど、ステップレースを使わずに活躍している馬も目立ちます。

ですが、

基本的に桜花賞はステップレースをきちんと使った馬が強いレースです

といっても、ステップレースはいろいろありますが、ここではただ一つ

チューリップ賞をステップにしてくる馬が異常に強いレースと言えます

 

本番と同じコースで試走できる意味合いも大きいでしょうし、何より本番で対戦する有力馬の力を事前に測れるということも大きいのではないでしょうか。

ダイワスカーレットはチューリップ賞でウオッカの能力を測って、桜花賞では逆転をしましたし、チューリップ賞はいろいろな意味でも大事なステップレースです。

今回のルージュバックはきさらぎ賞からの直行

つまり、

牝馬の一線級とはまだ一度も対戦していないわけです

でも、ベルーフやミュゼエイリアン、ポルトドートウィユあたりの牡馬有力どころを相手にしていないんだから牝馬なんて敵じゃないだろ、と思っている人多数だと思いますが、

果たして今年のクラシック世代は牡馬が牝馬より強いと言い切れますか?

その意味でもチューリップ賞は使うべきだったと思います。

レース間隔から言ってもここを使う方がデータ的に好走率は上がりますし、何よりココロノアイやレッツゴードンキといった牝馬の一線級との力比べは測っておくべきだった。

これをしないおかげでルージュバックは「自分の能力は抜けている」という競馬しかできないわけです。

もし今年の牝馬戦線がレベルが高く、ルージュバックが今まで戦ってきたメンバーよりも強かったら・・・

最後にこの牝馬戦線を見ていきましょう。

 

今年の牝馬クラシック戦線はレベルが高い

今年のクラシックは今の所、牝高牡低の印象。

それは世間で言うルージュバックがいるから・・・というわけでなく、全体的なレベルも牝馬クラシックの方が高いと感じています。

特に強いなと思うのは2頭。

1頭はココロノアイです。

チューリップ賞の競馬は圧巻で、クラシックに向けて急激に成長するステイゴールドの血。少なくともマンハッタンカフェ産駒よりは成長度という意味では強調できます。

チューリップ賞は道悪が多分に向いた可能性はありますが、有力馬たちとの格付けをしっかり済ませたという点でも現時点で桜花賞の最有力馬というべきでしょう。

 

もう1頭はクイーンズリングです。

基本的に毎年フィリーズレビュー組はバッサリと切るんですが、この馬だけはどうしても切れません。

フィリーズレビューが開催された頃の阪神芝コースは圧倒的な内枠、先行有利馬場。どんなにペースが厳しくなっても大外をぶん回して差すのは厳しい馬場状態でした。

それをこの馬はマイナス20kgの状態で、8枠から大外をぶん回して余裕で勝ち切ったわけです。

この馬もマンハッタンカフェ産駒ですが、ルージュバックを騒ぐのであればこの馬のフィリーズレビューのパフォーマンスも同じだけ騒ぐべき馬だと思います。

 

このように今年の牝馬クラシック戦線は非常にメンバーが揃った印象。

牡馬と戦えた、だけで果たして確勝級として頭固定にしていいのかと私は考えてしまいます。

 

と、すごく長いエントリーになってしまいましたがw、GIということで気合が入っているということでお許しください。

こんな感じで私はルージュバックを本命には致しません。

多頭数で揉まれるリスクや、極限仕上げの直前輸送といった、馬券から吹っ飛ぶリスクも抱えた馬だと思ってますので、ルージュバックを入れない馬券もたくさん買う予定。

 

その上でどの馬から狙うか、、、

狙いどころは次回エントリーからたくさん触れていきますが、

(1) 桜花賞での特注血統

(2) 前走で見せた強烈な末脚

(3) 現在のタフな阪神馬場にも対応できるパワー

(4) 王道ステップレースをきちんと使ってきたこと

などを考慮して、まずこの馬本命で良いと思っています。

道悪になれば本命、対抗の印を入れ替えようかと思っていますが、今のところはこの馬から桜花賞は大勝負を仕掛けたいです。

 

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第75回 桜花賞(G1)

ルージュバックの1強?

キャットコイン?クイーンズリング?

それとも…

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某スポーツ紙で大きく一面を飾っていたように、主役候補として大注目を集めているルージュバック。牡馬相手のきさらぎ賞を勝利する偉業を成し遂げ、その内容も完勝。デビュー戦からのパフォーマンスを見ても、その潜在能力が高いことは疑いようがなく、3戦3勝の内容にケチを付けるつもりはない。

しかし、だ。

それだけで“1強ムード”を作り出すのは早計と言わざるを得ない。なぜならば、キャットコイン、クイーンズリングも3戦3勝の無敗馬であり、他にもチューリップ賞を制したココロノアイなど、まだまだ勝負付けが済んでいない馬は数多くいるのだ。マスコミが作り上げたムードに、何も考えずに乗って馬券を買うのは危険極まりない。確かな関係者情報を入手し、入念にジャッジする必要がある。

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