天皇賞[秋]2020(東京芝2000m)の考察です。
11月1日に東京競馬場で開催され発走時刻は15:40です。出走馬はアーモンドアイ、クロノジェネシス、フィエールマン、ダノンキングリーなど。東京競馬場の芝2000mで行われるGIです。今回の記事では過去データやレースラップ、血統、予想オッズなどを考察いたします。
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天皇賞(秋) 2020 考察
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レース傾向
秋古馬3冠の第一戦となる天皇賞(秋)。東京芝2000mという絶妙な距離設定や、ここを使ってからジャパンカップにもマイルチャンピオンシップにも行けるという絶妙な時期設定のおかげで、一線級のマイラーと中長距離馬が一堂に介して最強馬を決めるレース。マイラーが参戦することでペースも緩まずに馬のポテンシャルが存分に発揮されやすかったですし、馬券云々ではなくスポーツとして見応えがあって個人的に最も好きなGIレースでした。
ただ、近年はその傾向が変わってきている感じあり。やはりノーザンファームの力が強くなってきたこともあって明確な使い分けが始まったこともありますが、そもそも秋古馬3戦という言葉自体が無意味になってきている感じで、その3つを完走する馬なんて今の時代はほとんどいなくなってきました。それに加えてマイラーと中距離馬の路線毎の棲み分けも明確化されてきた感じで、今の時代の天皇賞(秋)は中距離馬同士の少数精鋭のガチンコ勝負という感じのレースに変わってきています。
そんなわけで天皇賞(秋)は傾向が変わってきているよ、という事であんまり過去5年とか過去10年スパンで傾向を探っても意味がない印象。特に近5年は馬場がどれもバラバラでその年によって求められる適性が違いましたし、それらをまとめて「過去5年は、、、」などと語るのはちょっと違う気がします。(※2019年と2018年は超高速馬場でスピード持続力優勢、2017年は極悪不良馬場、2016年は外しか伸びない差し馬場、2015年は比較的フラットな馬場でした)
ただ、時代は変わっても天皇賞(秋)において不変の重要要素があります。それは、、、
とにかく絶対的な末脚の質が求められる
という事です。
一昔前は激流のハイペースを耐え抜いた上で直線でズバッと差し込んでこれる馬が有利でしたし、超スローペースになった2014年でも前残りが決まるわけではなく、スピルバーグの大外一気が決まりました。
もう時代が変わっても天皇賞(秋)は「末脚の質」が重要ということは変わっていない感じ。基本的には前に行って粘りこむような馬の好走は厳しく、それよりも東京競馬場の長い直線部分でどれだけ爆発的な末脚を使えるかがこのレースでは重要です。
「嘘を言え、過去2年ではキセキとアエロリットが逃げ粘ってるじゃないか」という人もいるかもしれませんが、これはキセキとアエロリットが脚質的に目立たないだけで歴史に名を残していいぐらいに持続力に優れた名馬だったからでしょう。それに高速馬場にも恵まれた感じはありましたしね。
今年は最初の2週で大雨の影響を受けたことで近2年ほどの高速馬場にはまずならなそう。Bコース替わりでもある程度タフさは残るはずで、近2年よりも末脚が活きやすいような馬場になるんじゃないかと見ています。今年は少頭数ですし、とにかく直線部分の末脚の質が要求されるレースになるんじゃないでしょうか。
POINT1 → 以前はマイラーと中距離馬が集結して激流のポテンシャル勝負になりやすかったが、最近は路線の棲み分けがなされて少数精鋭の中距離馬のガチンコ勝負になってきている。
POINT2 → 時代が変わってもこのレースで重要なのは「絶対的な末脚の質」。今年は過去2年より差しが決まりやすい馬場になりそうな感じがします。
基本的には天皇賞(秋)というレースはマイラーが多数出走してくることもあり、道中ペースが激流になりやすくて最後はその激流に耐え抜いた上で直線で末脚を発揮できるような馬が強かった傾向。
ただ、近年はマイラーがわざわざここを使うことも少なくなりましたし、フルゲートではない少頭数になることも多く、以前のような激流からの底力勝負にはなりにくくなっています。
過去2年はフルゲート割れでテンが非常に遅く、そこからキセキ、アエロリットが道中ペースを落とさずにスピードの持続力勝負に持ち込んだ感じ。過去2年ともにかなりの高速馬場でしたから、ある程度飛ばしてもバテないという意識が逃げた騎手にもあったでしょう。
今年は過去2年ほどの高速馬場にはならなそうで、飛ばしたら飛ばした分でパッタリ止まりそうな馬場。そもそも逃げ馬不在でダイワキャグニーが押し出されるような展開になりそうですし、今の馬場だと逃げ馬の鞍上も道中ペースを引き上げることはしないだろう。過去2年とは違って、中盤が緩んだところからの直線の究極の瞬発力勝負になりそうな感じがしています。
POINT1 → 以前は激流からのポテンシャル差し傾向だったが、近年はマイラーの参戦の減少や少頭数に伴い、傾向が変わってきている。
POINT2 → 過去2年はかなりの高速馬場だった影響で飛ばしても止まらない馬場だったが、今年はそれよりタフな馬場なので中盤ペースが緩みそう。
血統傾向
日本競馬の根幹を成す東京芝2000mという王道条件で末脚の質が問われるレース。そんなレースですから現代競馬の2大血統と言っていいだろうディープインパクトとキングマンボの血が凄まじく強いレース。過去5年を見ても歴史的名馬と言えるモーリス以外はディープインパクト(全兄弟ブラックタイド含む)かキングマンボ系の馬しか勝利していません。そんなわけで基本的には王道血統が有利というのが大前提。
その上で直線の末脚の質だけでなく、やはり最後までしっかりと伸び続けられる底力が重要になるのが天皇賞(秋)というレース。最後まで伸び続けるという点においてはトニービン=グレイソヴリンの血は偉大。もう昔から天皇賞(秋)はトニービンの血が躍動することで有名で、特にその血は激流になって底力が問われれば問われるほど躍動します。(※代表例を挙げればジャスタウェイ、トーセンジョーダン、カンパニーなどなど)
また、左回りコースでの持続力を強化するという点でヴァイスリージェントの血統も相性良し。過去5年は毎年ヴァイスリージェントを持っている馬が馬券に絡んでいますし、昨年もアエロリットが驚異的な粘りを見せて好走。怪物クロフネを生み出したバテない持続力は天皇賞(秋)でも強調できます。
POINT1 → 王道条件で直線の末脚の質が問われるため、王道血統のディープインパクトとキングマンボ系が強い。
POINT2 → 直線での底力勝負になるとトニービン=グレイソヴリンの血が躍動する。
POINT3 → 過去5年はヴァイスリージェントの血を持つ馬が毎年好走。
考察まとめ
というわけで枠順発表前の天皇賞(秋)の想定オッズはこちら。
枠順発表前の想定オッズ(当サイト予測)
人気 | 馬名 | オッズ |
1 | アーモンドアイ | 1.8 |
2 | クロノジェネシス | 3.9 |
3 | フィエールマン | 8.3 |
4 | ダノンキングリー | 11.4 |
5 | キセキ | 15.6 |
6 | ダノンプレミアム | 21.2 |
7 | ブラストワンピース | 31.5 |
8 | スカーレットカラー | 48.3 |
9 | カデナ | 88.0 |
10 | ダイワキャグニー | 104.0 |
11 | ジナンボー | 112.0 |
12 | ウインブライト | 134.0 |
秋華賞、菊花賞に続いて1番人気は単勝1倍台になりそう。と言ってもアーモンドアイは安田記念で負けているので単勝1.8倍ぐらいで落ち着くんじゃないでしょうか。
2番人気も抜けた感じでクロノジェネシスになりそう。3番人気も前走GI勝ちのフィエールマンで、以下ダノンキングリー、キセキ、ダノンプレミアム、ブラストワンピースという感じの人気順になるんじゃないでしょうか。
最後に現時点で面白いと思う馬をピックアップ!
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まぁこのレースは本命はアーモンドアイでいいと思います。正直、今回は確勝かどうかは微妙なところですが、いくら5歳牝馬で若干衰える可能性があると言ってもこれだけの歴史的名馬ですから、自身のベスト条件で大崩れすることはないでしょう。ただ、アーモンドアイ以外の人気馬に関しては若干ケチがつけられそう。相手は振り回していいとみます。
その中でも最も面白いのがこの馬でしょう。とにかく溜めての直線スピードに関しては今回の豪華なメンバーでもナンバーワン級。好走レンジが狭いおかげで馬柱の見た目が汚いですし、昨年も天皇賞(秋)に使うべきと力説してきたこの馬がようやくここに使ってきてくれました。ベスト条件で圧巻の末脚を見せて欲しいです。
一方でちょっと危ういと思っている馬はこちら。
↓↓↓
クロノジェネシス
もうこの馬はアーモンドアイと並んで女傑級という評価をしていいと思います。ただし、それは欧州チックなスタミナが問われるレースでこそでしょう。
3歳時は絶対能力の違いでキレが求められる条件でも走れていましたが、今回の天皇賞(秋)は世界一の直線の瞬発スピードを問われるようなレース。バゴ産駒で上がりがかかればかかるほど良いこの馬に向く条件ではありません。いくら女傑級の馬でも適性がズレれば良い結果は出ない、という好例になりそうな気がしております。
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【日曜日】重賞買い目&平場の狙い目
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