東京芝1400mの事を語り始めると止まらなくなる。それほどまでにこのコースは魅力的だ。皆が人気のディープインパクト産駒の差し馬に注目している中、逃げ粘るとわかっている適性抜群の先行馬を眺めているときほど楽しい時はない。みな人気の差し馬を買っていた人は200のハロン棒を過ぎたあたりから顔が青ざめてくる。京王杯でもその姿を我々が眺めようじゃありませんか。
素質なんて一切必要ないレース
2013年のモーリス。新馬戦で京都1400mをとんでもない破格の時計で勝ち、一躍朝日杯の最有力候補と呼ばれ、この世代でも屈指の逸材と騒がれた。京王杯でも単勝1倍台の支持を得たが差し届かず6着。多くの人が青ざめた。
2012年のテイエムイナズマ。前走、デイリー杯2歳ステークスをひと捲りで勝ち、有力な朝日杯候補として臨んだ京王杯。1番人気に支持されたが結局9着に終わった。
2011年のモンストール。新潟2歳Sでジャスタウェイと極限の末脚勝負を繰り広げ、世代屈指の末脚との評価を得て京王杯に臨んだ。結果は3着から離されての4着に終わった。
2010年のオルフェーヴル。その後3冠を達成する歴史的名馬だが、芙蓉ステークス2着の後、1番人気で臨んだこの舞台。まったくいいところがなく10着に終わった。
このような短距離と言うよりはマイル~中距離に期待を抱かせるような走りを見せてきて、朝日杯FSやクラシックを期待されるような馬が京王杯に来た場合、ほぼ全てが惨敗を見せている。
その理由はなぜか。それは2歳戦特有の陣営の考えがある。
暮れの2歳GIや来年のクラシックを狙う陣営は、馬に折り合いを覚えさせるため、差しの競馬を覚えるようにする。そして丁度この時期、新馬勝ちや未勝利勝ちである程度ローテーションに余裕が出来た大レースが狙える陣営は、下手にスピードを活かす競馬はせず、折り合いを覚えさせるために控える競馬を試みることが多い。
だが、前回の考察でも述べたように東京1400mは先行勢がそのままなだれこめる舞台。後ろでちんたら折り合いに専念しているような馬はどんなに素質があっても好走しない。それよりはクラシックや2歳GIなんてはなはだ無視してスピードを存分にこの舞台で活かそうとしている馬を選びたい。
今年のメンバーはどちらかと言えば人気馬もスピード溢れる短距離馬が多く、危険な匂いのする馬はいないが、あえて言うならば
ヤマニンマンドールはここ2戦のレースぶりから危険な匂いはする
確かに父ストーミングホームはダート短距離血統というこのレースの特注血統に合致するが、新馬戦でサトノフラムに食らいつき、未勝利戦はフィドゥーシアを突き離して時計的にも好内容。どちらも差しで結果を残したとなれば、陣営は暮れの2歳GIに色気を相当持っているだろう。血統だけでここに飛びつくのは非常に危ないと考える。
それよりも先の事など考えずに京王杯でスピードを爆発させようと考えている馬と陣営。狙い打つならそちらだ。
この馬が想定オッズ的にも最も面白いか?
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