エリザベス女王杯2022(阪神芝2200m)の予想です。
11月13日に阪神競馬場で開催され発走時刻は15:40です。出走馬はデアリングタクト、スタニングローズ、ナミュール、ジェラルディーナなど。阪神競馬場の芝2200mで行われるGIです。
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過去10年の単勝人気別成績を見ると『1番人気が1勝・2番人気が1勝』で2番人気以内の連対率が25%と上位人気馬がアテになりません。勝率ベースだと3~5番人気の方が優秀で…6~10番人気の馬も十分に勝負になっています。昨年も10番人気のアカイイトが勝利して3連単は300万円を超える大万馬券でした…!
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エリザベス女王杯 2022予想
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エリザベス女王杯はどんなレースになりやすいのか?
通常ならば京都芝2200mで開催される秋の最強牝馬決定戦。このレース以外で牝馬限定重賞の最長距離は2000mになりますし、牝馬戦の中ではスタミナが問われるのが昔からこのレースの特徴。そんな訳もあってこのレースは牡馬混合の芝中長距離戦で実績がある馬の成績が良く、牡馬相手でもスタミナ負けしない馬の好走が目立っています。
スタミナ要素も重要ですが、この芝2200mという距離は競馬場が違ってもこの距離だけ走る馬がいる特殊な距離。400mで割ることができない非根幹距離の最高峰というイメージの舞台で、2200m-2500m-1800mと言った非根幹距離のレースで実績がある馬が有利になりやすいです。
過去2年は京都競馬場改修のために阪神芝2200mでの開催に。2020年は超高速馬場でなおかつ決め手が活きるコンディションであまり非根幹距離らしくない結果に。上位3頭のその後の戦績を見てもラッキーライラック、ラヴズオンリーユー、サラキアの3頭がハイレベルすぎた感じもします。
そんな2020年よりも阪神芝2200mらしさが出たのは昨年のエリザベス女王杯。先行馬多数でペースが流れたことで完全なスタミナ差し決着になって、上位はスタミナ優位のキズナ産駒のワンツーにエピファネイア産駒のクラヴェルが3着に突っ込んできました。2020年はちょっと例外に見えるので、参考にするなら2021年の方じゃないでしょうか。
昨年は非根幹距離に強いキズナ産駒のワンツー。この阪神芝2200mは宝塚記念の血統傾向を見ても一目瞭然ですが、とにかくサンデーサイレンスを持っていない欧州血統が走りやすい舞台。
今年の宝塚記念も1.3着馬は父、母父ともに非サンデーサイレンス系の馬が走りましたし、主流条件とは異なってキレよりもスタミナが問われるこの条件はサンデーサイレンスの血を持っていることが逆に不利になるような血統傾向になっています。
今年はどんなレースになりそうか?
阪神競馬場はAコースもだいぶ使われて外差しも決まるフラットな馬場。土曜日のデイリー杯2歳ステークスもオーロパルフェの逃げ切りが決まりましたし、ペース次第ではどんな脚質でも台頭できるフラットな馬場になっているか。
そんな馬場に日曜は雨が降りそう。もう天気予報ばかりは神のみぞ知る感じですが、この前日予報を見る限りレース時間帯にしっかりと雨が降りそう。高速設定の馬場が続いているとはいえAコースも使い続けて馬場のダメージはあると思いますし、雨が降ったらタフな馬場になりそう。土曜時点で外もしっかり伸びる馬場でしたから、日曜は雨の影響を受けてイン馬場がダメになって相対的に外の方が良い馬場になると思います。
また馬場自体もタフになると思うので、良馬場で行うとき以上に欧州スタミナ血統、特にサドラーズウェルズやロベルトを持っている馬は有利になると思います。
今年のエリザベス女王杯は昨年と違って先行タイプの馬が少ないというのが第一印象。押し出されて逃げたい馬もいないと思うのでローザノワールがスッとハナを奪いそうですし、陣営コメントを見てもウインキートスがその2番手の位置を取りに行きそう。それ以外に先行しそうなのがウインマリリン、ウインマイティーと全てウイン軍団なので事前に談合が組まれると思いますし、そうなればほぼ間違いなく先行争いは起きずのスローペースになるはず。
もともと阪神芝2200mは直線スピードを発揮しにくい舞台で、相対的に先行力や持続力が重要になるコースですが、それに加えて雨が降ることで末脚のキレを発揮したい馬にとってはさらに厳しいコンディション、条件になりそう。スローペース濃厚となれば後方から進める馬はほぼアウトと見て良さそうで、馬場の良い外側部分を通って先行できる非根幹距離巧者が躍動するレースになると予想します。
考察まとめ
【レース質】キレが問われずにスタミナが問われる特殊な非根幹レース。<■□■□>
【狙えるタイプ】牡馬混合の中長距離戦で実績がある馬。
【狙えるタイプ】非根幹距離での実績がある馬。
【狙えるタイプ】欧州血統でなおかつSSをなるべく持っていない馬。
【狙えるタイプ】雨の影響でサドラーやロベルトが有利になる。
【狙えるタイプ】勝負所から直線にかけて馬場の良い外側を通れる馬。
【狙えるタイプ】スローペース濃厚で前付けできる馬。
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エリザベス女王杯 2022の印
◎ウインマリリン
これまでに重賞を3勝しているが、そのうち2つが牡馬混合の非根幹距離GII。その時に倒した相手はカレンブーケドール、ワールドプレミア、グローリーヴェイズ、レイパパレといった錚々たるGI馬ばかりですし、この馬は非根幹距離ならばそういったGIレベルの馬とも差のない競馬ができるということなんだろう。
では、なぜ過去2年は非根幹距離のエリザベス女王杯で走れなかったかと言えば、その2年ともに理由は明白。2020年は超高速馬場でなおかつ末脚のキレが活きる馬場になってしまって決め手で負けて4着。この時に負けたラッキーライラック、サラキア、ラヴズオンリーユーは歴史的な名牝レベルの馬ですし、単純に相手が強すぎた感じもあった。昨年は持病の肘の状態が最悪でレース前から調教師が泣きコメントを出していましたし、負け方を見ても完全にノーカウントでいいと思います。
なかなか肘の状態が良くならずで惨敗が続いていましたが、ようやく今夏の宝塚記念で復調気配を見せて札幌記念では牡馬の強敵相手に3着好走。僅差だったジャックドール、パンサラッサが次走で天皇賞でも上位に走ってきたのを見ても、3着に健闘したこの馬も十分に評価していいんじゃないだろうか。
牡馬相手の非根幹距離GIIを2勝しているように今回の条件で最も強いパフォーマンスをしているのはこの馬だと思いますし、父も母父も非サンデーサイレンス系で好走血統にも合致。スローペース濃厚なので前に行ける点も良いと思いますし、雨でインが傷む馬場ならこの枠も悪くない。何より昨年は完全に泣いていた厩舎コメントが、今年は「最高の状態」とのことですし、万全の状態でベスト条件に挑める今年はGI勝利の大チャンスと見ていいんじゃないでしょうか。
【対抗 ◯10 スタニングローズ】
今年のオークスは走破時計、レースラップを見ても上位はハイレベルと回顧の時から書いていたが、実際にそのオークス上位馬が秋華賞も上位独占。東京芝2400mと阪神芝2000mという全く異なる条件で同じ馬たちが上位に走ってきたのを見ても単純に3頭の能力が抜けていたと考えていいか。
血統背景を見ても父キングカメハメハ×母父クロフネでサンデーサイレンスの血を直近には持たない配合。父譲りの立ち回りセンスと母父譲りの持続力が売りの馬に見えますし、雨が残って末脚が削がれるような馬場になっても減速率が他の馬よりも少なそう。
スタートが上手くてスッと前に行ける点も展開を考えれば魅力的ですし、インがダメになりそうな馬場を考えれば枠も良いはず。今回の考察で挙げた条件を全て兼ね備えているわけですから上位評価としていいでしょう。
【単穴 ▲4 デアリングタクト】
一昨年の3冠牝馬も秋華賞を最後に勝ち星はない。ただ、超ハイレベルだった今年の宝塚記念で3着に走りましたし、全馬の末脚が削がれるようなレースで外を回して差し込んできての3着は負けて強しの内容。あのレースぶりからして減速要素の大きいタフ馬場の阪神芝2200mの適性は高そうですし、単純に牝馬限定のメンバーになれば能力が抜けきっている可能性も。
血統も父、母父共に非サンデーサイレンス系で阪神芝2200mの血統傾向に合致。それでいて単純に能力最上位なら評価してもいいか。インが伸びない馬場を想定しているので、この枠となると絶対的な信頼はしたくないところです。ぶっ飛ぶ可能性も十分にあるでしょう。
【特注 ☆17 ウインマイティー】
オークス3着に激走して以降はしばらくスランプが続いていたが、今夏にようやく復活。マーメイドステークスは完璧な競馬ができたとはいえマリアエレーナを突き放しましたし、京都大賞典では牡馬相手に休み明けで善戦。
忘れな草賞のレース内容などを見てもタフな馬場は得意そうですし、父サンデーサイレンス系とはいえゴールドシップは宝塚記念を連覇したようにこの条件は大得意。外枠からじわっと先行する競馬も合いそうですし、ここは走れてもいいんじゃないだろうか。
【△2 ローザノワール】
とにかくマイペースで逃げられれば渋とい馬で、スローペースに恵まれたとはいえどう考えても適性合わないだろうヴィクトリアマイルであわやの4着好走。走る時と走らない時の差は激しいですが、普通にMAXパフォーマンスはGIでも通用する馬と見ていいか。
父はサンデーサイレンス系のマンハッタンカフェですが、マンハッタンカフェはSS系の中でも屈指の非根幹距離が得意な血統。過去にエリザベス女王杯でクイーンズリングが勝利してシングウィズジョイが穴を開けていますし、それ以外でもルージュバックがオールカマー、シャケトラがAJCCなど代表産駒は軒並み非根幹距離の2200mで活躍している。
この馬もこれまでの戦績を見ても非根幹距離の1800mで好成績が目立ちますし、母父ヴァイスリージェント系で母母父サドラーズウェルズなら非根幹距離でバテずに粘る競馬が最も得意と見ていいはず。これまで2200mの距離を走ったことはありませんが、距離が伸びて後続のプレッシャーが緩くなる分でパフォーマンスを上げる可能性は十分にあっていいか。スローペース濃厚の展開を考えてもこれが大穴候補。
【△5 マジカルラグーン】
スノーフェアリー以来に海外から送られてきた刺客。そのスノーフェアリーの衝撃が凄まじかった事からあれぐらい強い馬とも思ってしまうが、スノーフェアリーが英オークスと愛オークスを連勝してその年の3歳牝馬のナンバーワンクラスだったのに対して、こちらは低レベルなメンバーの愛オークスを勝利したもののヨークシャーオークスではアルピニスタをはじめとした牝馬の一線級に完敗。まずスノーフェアリー級の馬ではないでしょう。
陣営コメントを見るとスタートが良いので先行できるとの事ですが、最大頭数9頭立ての経験しかない馬ですし、いきなりフルゲートで日本競馬のペースに入ったら位置を落としそう。多頭数でごちゃつく競馬も経験していないですし、この内枠からスムーズに捌けるのか怪しさしかありません。
そんなネガティブな事ばかり書いてなぜ印は抑えたかと言えばこの血統背景がその理由。父が欧州のサイヤーオブサイヤーズのガリレオで母父ラグナスはニジンスキー系。ヨーロッパの馬ですからサンデーサイレンスの血を一切持っていませんし、タフな馬場の阪神芝2200mはいかにも走りそう。全馬がインを開ける中でこの馬だけインを突いてスイスイ走れちゃうような事もありそうですし、一応抑えてはおきたい。
【△9 ウインキートス】
非常に走るタイミングが難しい馬だが、これまでのレースぶりを見る限り「非根幹距離巧者」「スロー専用機」「叩き良化型」の3点がこの馬のキャラと見て良さそう。
これまで重賞で好走したのは目黒記念とオールカマーのみで全てが非根幹距離、しかもその全てがスローペースのぬるま湯戦で非根幹距離でもペースが流れたエリザベス女王杯や有馬記念は惨敗している。なおかつ休み明けはさっぱり走れないようで、叩いてようやく本領を発揮するタイプと見ていい。
昨秋は休み明けの札幌記念でさっぱり走れずに惨敗したが、叩き2戦目のオールカマーで一変して2着好走。ウインマリリン、レイパパレ、グローリーヴェイズあたりと接戦できていれば普通に力はあるはずで、その力を発揮できるタイミングが極端に少ないタイプと見ていいか。
前走のオールカマーは枠と展開に最高に恵まれての3着。ただ、この馬は休み明けは苦手なので普通ならば惨敗してもおかしくないタイミング。今回は叩き2戦目で大得意な非根幹距離の芝2200m。昨年とは違ってぬるま湯スローペース戦になりそうですし、ローザノワールについて行ってスローペースをそのまま粘り込む可能性は十分にあると見ます。
【消3 ピンハイ】
ヒダカファーム育成のミッキーアイル産駒という地味なプロフィールながら、チューリップ賞でいきなりの激走、続いてクラシックで連続で掲示板と意外性のオンパレードのようなキャリアを歩んできた。
クラシック2戦の内容や準オープン勝ちのパフォーマンスから重賞級の馬というのは間違いないが、これまでのレースぶりを見ても鋭い決め手を活かしてこそのディープインパクト系らしい馬。今回の条件、馬場はそういうキレが全く活かせないと思いますし、当日の馬場を考えると内枠もマイナス。
【消7 イズジョーノキセキ】
今回のエリザベス女王杯の予想は血統を重視しているので、父も母父もサンデーサイレンス系でない馬はだいたい上位評価にしている。そんな中でこの馬だけはそれに該当しながら無印とした。
これまでのレース内容を見ても、とにかくじっくり溜めて最後の末脚勝負に徹してこその馬で、血統的には合いそうでも馬キャラは全くこの条件に合わない。
岩田康誠からルメールへの急遽の乗り替わりは「鞍上強化」と騒がれている感じもあるが、この馬はとにかく道中で動かず溜めてこその馬なので岩田騎手以上に上手く乗れる事はないはず。そもそもスローペース濃厚ですし、後方に構える競馬では差し届かないと思います。
【消8 アンドヴァラナウト】
もともと掛かり癖がすごい馬で、2000mの愛知杯でも福永騎手から松山騎手に変わって全く何もできず。福永騎手以外が乗る時は基本的にマイナス評価でいいはずで、その福永騎手が乗っても府中牝馬ステークスで最後に脚が止まっていた。
今回はそこからの距離延長になりますし、こういう繊細で折り合い不安の馬が剛腕のムーア騎手に合うイメージがない。早々に止まって終わると思います。
【消11 ナミュール】
これまでの戦績を振り返っても高いパフォーマンスを発揮するときは休み明けでフレッシュな時。それを見越して秋華賞は直行ローテにしたんだと思いますし、その秋華賞を惜しくも勝てなかったことで今回は仕方なく連戦で挑んできた感じ。こういう使って消耗するタイプの馬はクロノジェネシス、アカイトリノムスメあたりがあっさり人気を裏切っていますし、今回はこの馬を買うタイミングではないように思います。
レースぶりを見ても雄大なフットワークでズバッと末脚を炸裂させてこその馬ですし、おそらく非根幹距離よりも根幹距離の末脚が存分に活きる舞台向き。雨で走りにくい馬場というのもこの馬には合わない感じがします。
【消14 アカイイト】
昨年のこのレースの勝者。確かに昨年はタフ馬場もハイペースもドンピシャでハマったが、早めに動いてあれだけ後ろを突き放すあたりスタミナ勝負なら牝馬の中では抜けて強い可能性がある。
今年も外が伸びる馬場になりそうですし外枠は良さそう。ただ、昨年は完全な前崩れの展開でハマった感じがありますし、今年は同じタフ馬場でも末脚が削がれる前残りレースを想定するとなるとタイプには合わない。
【消18 ジェラルディーナ】
条件戦時代とはいえ福永騎手でも制御不能で暴走したことがある馬で、基本的に乗り難しいタイプ。前走のオールカマーはテンから出して行ってしまう横山武史騎手のテン乗りで果たしてどうかと見ていたが、内枠だったことで前に壁が作れて絶好位から完璧な競馬に。当時の中山芝はもうインを通った馬しか走れないような馬場でしたし、そんな馬場バイアスに恵まれすぎての勝利という感じでした。
今回は前走の内枠から一転してフルゲートの大外枠。しかもテン乗りになりますし、大外枠で前に壁を作れない状況ではクリスチャン・デムーロと言っても制御は至難の業か。前走が馬場バイアスに恵まれすぎているので、そこまで抜けた馬でもないと思いますし、それで今回人気ならば制御できずに凡走パターンを考えたほうがいい。
印まとめ
◎ウインマリリン
◯スタニングローズ
▲デアリングタクト
☆ウインマイティー
△2,5,9
勝負度 B
買い目
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