スプリンターズステークス2023(中山芝1200m)の予想です。
10月1日に中山競馬場で開催され発走時刻は15:40です。出走馬はナムラクレア、アグリ、メイケイエール、ママコチャなど。中山競馬場の芝1200mで行われるGIです。
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スプリンターズステークス 2023 予想
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スプリンターズステークスのレース概要
秋の怒涛のGI連戦の初っ端を飾る電撃スプリント競争。スプリント路線はロードカナロアのような圧倒的な存在が君臨している時代は堅く収まることが多いが、基本的にトラックバイアスや展開に左右されやすいので他の距離形態のレースよりは荒れることが多い。2年前にピクシーナイトがこのレースを勝利した時にはしばらくピクシーナイトの黄金時代が来るかと思われたが、その後に不運な故障があって戦線離脱。近年はまさに群雄割拠という構図になっているでしょう。
昨年は人気馬が総崩れで三連単は46万馬券に。このスプリント路線は昨年の高松宮記念から爆荒れレースが続いており、ピクシーナイトの戦線離脱以降は主役不在のために順当な結果にはなっていません。今回のスプリンターズステークスもあんまり堅く決まるとは考えない方が良さそうです。
データ的な見地からの考察
JRAのGIレースの中で最も距離が短いのが1200m戦。ある程度距離があるレースでは出遅れや枠順の有利不利などはリカバーできますが、1200mではなかなか一度受けた不利やロスをリカバーするのは難しいところ。
このスプリンターズステークスは特に枠順の有利不利が大きい感じで、こうしてみても内枠有利のレース傾向は明らか。1枠から穴馬がバンバン出ていますし、6枠より外の馬の成績はあんまりよろしくありません。
ラップ的な見地からの考察
中山芝1200mはスタートしてからずっと下り坂が続くために強制的に速いペースになる舞台。そんな舞台で行われるGIレースですからほぼ間違いなくハイペース、超ハイペースになると考えていいでしょう。
過去5年を見ても前半3F=32秒台はスタンダードと見て良さそうで、これが33秒台になると遅いペースと考えて良いはず。実際に2021年は前半3F=33.3で後ろから外を回す馬は全く無理なレースになりました。
血統的な見地からの考察
過去5年の好走馬15頭のうち父が非サンデーサイレンス系の馬は11頭。父も母父もサンデーサイレンス系でない馬が9頭も走っていますし、このレースはサンデーサイレンスを持たない馬の方が走りやすい傾向になっています。
父サンデーサイレンス系の馬で好走したのは4頭だけですが、そのうち2頭はレシステンシアとグランアレグリアで1番人気の馬。それ以外の2頭が好走したのは1分8秒台の遅い時計でサンデーサイレンス系の決め手を活かして差し届くレースになった年でした。1分7秒台前半の走破時計になる年ではよほど強い馬でなければサンデーサイレンス系の馬は不利になります。
レベルや馬場、展開などを踏まえて今年はどんなレースになりそうか?
今週が中山競馬場は最終週。とはいえCコース開催2週目ですからそこまで悪い馬場コンディションではありません。今週末は天気も晴れそうなので良馬場での開催になりそうです。ある程度速いペースで流れれば1分7秒台前半の時計は出るんじゃないでしょうか。
直近3回は全て大荒れになっているスプリントGIですが、今回の上位人気になりそうなメンバーを見ても大体はその大荒れのレースに出走していた馬ばかり。つまりは信頼できない馬ばかりということで今回も大波乱になって不思議はなさそう。
馬場読みや展開読みも重要になりそうですが、今回最も重要と考えるのが群雄割拠で能力拮抗のスプリント路線における各ステップレースのレベル比較。どうも2023年に行われたスプリント重賞はGI級のメンバーが揃っていたレースと、オープンに毛が生えたメンバーが揃っていたレースで二分されそう。
【ハイレベル】シルクロードS、高松宮記念、キーンランドC
【低レベル】オーシャンS、葵S、函館スプリントS、CBC賞、北九州記念、セントウルS
低レベルだった重賞で上位に走っていた馬でも人気になっていますし、群雄割拠の時代だからこそ戦ってきたレースレベルを間違えないようにしたいです。
考察まとめ
【レース質】激流でスプリント性能と総合力が問われる。<■□□■>
【波乱度】直近3回のスプリントGIは大波乱の連続。
【ラップ特徴】コース形態からして前半から強制的に速いペースになる。
【血統特徴】SSの血を持たない馬ほど好走率が高い。
【狙えるタイプ】内枠の馬が優勢。
【狙えるタイプ】ある程度の位置でちょい差しできる馬が有利。
スプリンターズステークス 2023の印
◎マッドクール
芝の短距離路線に転向してから破竹の4連勝でオープン入り。初の重賞挑戦となったシルクロードステークスはいきなり0.1秒差の3着に好走しましたし、その時の1-2着馬が次走の高松宮記念でワンツー。トラックバイアスの恩恵があったとはいえ、トウシンマカオを0.4秒突き放せる馬が弱いわけがないだろう。
もうハイレベルなシルクロードS好走時点で今回のメンバーに入れば上位の存在ではあるが、前走のCBC賞がまさかの惨敗。調教は動いていただけに実に案外な結果だったが、熱中症のような症状が出ていたということですし、そんな状態で58.5キロのトップハンデでインしか伸びないトラックバイアスで終始外を通って厳しくなったか。
今回はしっかりと間隔を空けて立て直してきました感じ。レベルが高かったシルクロードS、高松宮記念、キーンランドCの3レースで3着内に好走した馬はナムラクレアとこの馬以外いませんし、父も母父も非サンデーサイレンス系のスピードタイプでいかにも血統傾向にも合いそう。
逃げ馬2頭が競り合ってハイペースになると考えている人が多そうですが、CBC賞でも北九州記念でもジャスパージャックがあっさり先手を奪えているのでそこまで極端なハイペースにはならなそう。先行2騎を見る位置ぐらいで自在に競馬ができる馬が最も展開が向きそうですし、ちょうどそのあたりで競馬ができそうでなおかつ能力最上位となればこの馬が本命でいいんじゃないだろうか。
【対抗 ◯9 アグリ】
一本調子にスピードを活かす競馬でオープン入りして阪急杯を勝利したが、さすがにそれだけではGIでは辛かった感じで高松宮記念とチェアマンズスプリントプライズは連敗。秋初戦のセントウルステークスは結果が出ていないスプリント戦でどれだけやれるかと見ていたが、まさかの後方で脚を溜める競馬で上がり32.4の末脚を繰り出して2着に好走。名手=横山典弘騎手が新たなギアを引き出した感じで、本番のスプリンターズステークスを見据える意味では収穫の多いレースだっただろう。
父がミスターメロディなどを輩出したスキャットダディの系統のスピード血統。母父もウォーフロントですし、全くサンデーサイレンスの血を持たないスピード配合。考察時にもサンデーの血を持たないスピード配合が有利なレースと書きましたし、今年のメンバーの中でいかにもな血統配合はこの馬だろう。
無難にこの馬が本命でも良いと思うのだが、横山典弘騎手は良い意味でも悪い意味でもどんな競馬をしてくるかがさっぱりわからない。その戦法次第では前走と同じ脚が使えるかは微妙なので2番手評価で。
【単穴 ▲1 ナムラクレア】
ハイレベル路線のシルクロードS→高松宮記念→キーンランドCで全て連対している馬で、能力ベースで言えばどう考えてもここでは最上位に評価するしかない。昨年に比べればローテも余裕がありますし、調教内容も絶好なので能力を存分に発揮できる状態にはあるはず。
ただ、どうも気になるのが昨年のこのレースでの負け方と今回の枠順。確かに昨年は使い詰めで状態面の問題もあったでしょうし、4コーナーでかなり外にぶん回した浜中騎手の騎乗も雑すぎた。それでも少々のロスがあってもジャンダルムやウインマーベルぐらいならあっさり差し切っていい馬ですし、どうも急坂を苦手としている可能性が若干ある。
あとはやはりこの1枠がとっても不安。スタートを決めてスッと好位が取れて、、、という理想的な競馬ができれば良いのだが、おそらくこの馬の前にいるのはハナを取りきれないだろうテイエムスパーダ。勝負所でもう下がってきそうですし、前がどん詰まりになる可能性はそれなりにあるか。
過去のスプリンターズSを見ても、ビッグアーサーやロケットマンなど断然人気馬がインに閉じ込められて抜け出せなかったことはままありますし、百戦錬磨の川田騎手あたりはママコチャで被せ気味の競馬でナムラクレアが外に持ち出すコースを塞ぎにいくんじゃないだろうか。そういった他馬の包囲網を浜中騎手が打倒していく術があるかは怪しく・・・そうこう考えていくと不安は割とある馬だと思います。
【特注 ☆5 ウインマーベル】
昨年のキーンランドカップとスプリンターズステークスは有力馬の自滅に助けられての連続好走。その後のレースを見ても、大外枠に泣いたシルクロードステークスや道悪馬場に泣いた高松宮記念、外伸び馬場の内枠で休み明けで厳しかったキーンランドカップと言い訳が効くレース続きだが、逆に最高に恵まれてようやく走れるタイプの馬ではあるだろう。
今回は内枠が引けて昨年同様に恵まれる可能性はありそうだが、どうも昨年のスプリンターズステークス時よりもゲートとスタートダッシュが鈍くなっている印象。前走にしても一歩目が遅かったことでゴチャついて不利を受けた感じですし、今回はこの絶好枠を活かせるようなスタートを切れるかどうか。もし一歩目が遅いようだとママコチャやマッドクールあたりが切れ込んできそうなのでかなり後ろからの位置になりそうです。
【△3 ピクシーナイト】
今回が長期休養明けから復帰4戦目。復帰後は高松宮記念が休み明けで不良馬場、京王杯SCは直線でスペースがなく、セントウルSはスタートで出遅れとどれも言い訳が効くが、セントウルSにしても同じ位置にいたアグリには突き放されましたし、ちょっと故障前の全盛期からは能力が落ちていると考えるのが無難。
今回は枠が良いところが引けたので、スタートを決めて前々で位置を取る競馬でどこまでやれるか。調子自体は上向いているので馬券圏内の可能性はあるだろう。
【△6 ママコチャ】
今回人気になっている馬の中で少し怪しんでいるのがこのママコチャ。
とにかく安土城ステークスの内容が圧巻で、そのパフォーマンスと1分19秒00という時計で評価が上がっているとは思うが、この安土城ステークスが行われたのは葵ステークスと同じ週。葵ステークスも1:07:1という速い時計が記録されましたが、上位勢が軒並みそれ以降で凡走していますし、この週の京都芝はおかしい時計が出るコンディションだったと考えるべきか。
北九州記念は初スプリント挑戦のこの馬が1番人気に推されるぐらいでメンバーレベルは微妙。決着時計1:07:3は同じ週の3勝クラス戦より遅いですし、未勝利戦とも0.2秒しか変わらない。同じ週にママコチャと0.1秒しか違わない時計で走っていたプロスペリダードは次走が1勝クラスで辛勝でしたし、0.3秒しか違わない時計で走っていたレッドヒルシューズは土曜日の2勝クラス戦で普通に完敗。それらとの比較で見ても北九州記念の時計は全く評価できませんし、オープン級だろうストーンリッジやスマートリアンと接戦の馬がGIで3番人気はさすがにやりすぎ。
好枠を引いて川田騎手なら完璧に捌いて、、、というイメージもあってこの人気なんだろうが、川田騎手が無双するのは基本的に馬同士に力差がある条件戦や地方交流重賞。馬の能力が拮抗しているGIでは特に成績が良いわけでもないですし、それでいてこのオッズなら軽視が妥当。
【△8 メイケイエール】
持っている素質自体は今回のメンバーでもナンバーワン級だが、反動が出たり折り合い難があったりでまともに走れている方が少ない。
それでも陣営がなんとか矯正してスプリント戦で本格化しつつあったのだが、昨年末の香港スプリントでのマクドナルド騎手のメチャクチャな騎乗がこの馬をぶっ壊した印象。大外枠から出遅れて無理矢理に位置を取りに行くメチャクチャな競馬だったが、これによって馬が一度覚えた競馬の形を忘れてしまった可能性が高い。
今回は馬場や距離のエクスキューズはあるとはいえ、今年2戦でさっぱりな結果からのぶっつけでのスプリントGI。体質を考えるとぶっつけでのGI挑戦は良いと思うが、果たして今のこの馬のメンタルで走れるのかどうか。
【△13 ジャスパークローネ】
逃げた時はまだ底を見せていない馬で、ここに来て重賞2連勝。ただ、CBC賞が行われた当時の中京芝は反則的なイン先行有利馬場でトラックバイアスを味方にしていた感じ。それでいて格上挑戦のサンキューユウガに最後は迫られての勝利というのはあまり評価はできなそう。
北九州記念はママコチャのところでも書いた通りで、決着時計1:07:3は同じ週の3勝クラス戦より遅いですし、未勝利戦とも0.2秒しか変わらない。字面だけで言えば3勝クラスを勝ち上がったばかりのメイショウゲンセンがいきなりGIで5番人気になっていると見てもいい。そうやって見ていくと明らかに過剰人気だろう。
懸念されているハナ争い自体はテイエムスパーダのテンスピードが遅いのでそこまで気にしなくて良さそう。この馬がほぼ間違いなくハナに行けるとは思いますが、今回は使い詰めのローテでGIのメンバー相手に58キロで最後に急坂もあるコース。どこまで粘れるだろうか。
【△15 キミワクイーン】
これまでスプリント戦で大きく崩れたのはオーシャンステークスとキーンランドカップだけで、函館スプリントステークスは速いペースが向いたとはいえ大外一気で末脚の破壊力はずば抜けていた。春雷ステークスでは外伸び馬場でインを通りながらマッドクールと接戦できていますし、普通に今回のメンバーなら通用していいだろう。
オーシャンステークスにしても岩田康誠騎手がかなりの早仕掛けでコーナー部分で脚を使い切ってしまった感じ。キーンランドカップは外伸びのタフ馬場で内枠からインを突く競馬でトラックバイアスが全く向かず。この2戦に関しては敗因がはっきりあるので気にしなくていい。
今回は大外枠を引いてしまったのがネックだが、奥村調教師のコメント(=「腹をくくったレースをしてほしい」)を見てもじっくり溜めて直線勝負の競馬をしてきそう。函館スプリントSの末脚の再現があれば食い込みがあってもいいか。
印まとめ
◎マッドクール
◯アグリ
▲ナムラクレア
☆ウインマーベル
△3,6,8,13,15
勝負度 D
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