小倉2歳ステークス2018(小倉芝1200m)の考察です。
9月2日に小倉競馬場で開催され発走時刻は15:35です。出走馬はシングルアップ、ルチアーノミノル、セプタリアン、ファンタジスト、ジャカランダシティ、ミヤジシルフィードなど。小倉競馬場の芝1200mで行われるGIII戦です。今回の記事では過去データやレースラップ、血統、予想オッズなどを考察いたします。
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小倉2歳ステークス 2018 考察
過去5年のレース傾向
夏の小倉開催のフィナーレを飾る2歳スプリント重賞。あんまりクラシックに繋がるような印象のないレースですが、2016年の勝ち馬レーヌミノルは桜花賞を制しましたし、やはり小倉芝1200mという極限のスピード条件で勝てる馬のスピードは相当高いと見て良さそうです。
このレースを予想する上での重要なポイントは「走破時計」「多頭数」「高速馬場」の3点だと思います。今回はそれぞれ分けて解説したいと思います。
[ポイント1] 走破時計
小倉2歳ステークスを考える上で重要なポイントは初戦の走破時計をどう見るかという事。
キャリアが1戦や2戦の馬が多くてあまりにも判断材料がない2歳重賞ですから、ファンが信頼を置きがちなのが走破時計の速い馬。単純に走破時計が速い馬が一番強いと考えるファンは2歳戦では多く、実際に函館2歳ステークスでも走破時計が抜けていたナンヨーイザヨイが1番人気になりました。
ただ、その結果はどうだったでしょうか?
ナンヨーイザヨイはスプリント重賞の流れについていけずに9着惨敗。昨年の小倉2歳ステークスでも1番人気に推されたのは新馬戦で1:08:5の圧巻の時計で勝利したモズスーパーフレアでしたが、本番では人気になるも揉まれて全く伸びずに惨敗。このように走破時計で押し出されて人気になる馬は2歳重賞では期待値が限りなく低いのです。
なぜ走破時計が速い馬がその時計通りに走れないのか、その理由はレースがタイムトライアルではなく「競馬」だから。枠順や頭数、展開、馬場など全てが絡まりつつ、ほかの馬とレースをするのが競馬ですから時計が走るわけではないのです。
今年で言えば、、、
ルチアーナミノル 1:08:2
シングルアップ 1:08:4
あたりが時計の速さで人気をすると思いますが、大事なのはその走破時計でなくてレース内容。もちろん時計も速くてレース内容も良ければ文句のつけようがありませんし、その辺りはきちんと考えたいところです。
[ポイント2] 多頭数
小倉2歳ステークスの2つ目のポイントは多頭数になるという事。夏の小倉開催はとにかく芝1200mの新馬戦と未勝利馬が多く、スプリントの1勝馬がたくさんいる事になるので小倉2歳ステークスはまずフルゲートになります。
だいたいの馬は初戦が10頭立てぐらいの頭数でレースをしてきますから、16頭揃ってのレースは今回が初めてという馬がほとんど。この多頭数競馬に対応できるかというのもこのレースで重要なポイントです。
例えば昨年の1番人気モズスーパーフレアは多頭数で揉まれる競馬になって惨敗。2番人気のヴァイザーは多頭数で位置を落として直線で捌けずに馬券外に。このように頭数が増える事で初戦のパフォーマンスが出せない馬が出てくるのでそのあたりは注意したほうがいいでしょう。
[ポイント] 高速馬場
この点に関しては次回の考察で詳しく述べますが、今年に関しては最終週まで間違いなく続くだろう高速馬場も重要なポイント。
夏の小倉開催は数年前はエアレーション作業の影響でタフな外差し馬場になっていましたが、昨年あたりからエアレーション作業の影響が落ち着いてきたのか、ただの高速馬場になっている感じ。
今年は開幕週からずーーっと速い馬場が続いていますし、先週はBコース替わりでさらに馬場レベルが回復した印象で、まず最終週でも時計のかかる外差し馬場にはならないはず。
北九州記念の考察の時にも書きましたが、以前は外差しが決まる傾向が多かった小倉芝1200mのスプリント重賞。ですが、今の高速馬場では後ろから行く馬が届くとは思えず、ある程度前々で競馬ができた馬が上位にくると思います。
レースラップ分析
2週前に北九州記念が同じコースで行われたので、その時に書いたこととほぼ丸かぶりになりますが再度説明します。
小倉芝1200mはスタートから直線入り口までひたすら下り坂が続き、なおかつ直線部分が平坦なので騎手意識が前に行きやすいコース。先行争いが激しくなりやすい上に下り坂で勢いがつきやすいのでとにかく前半部分のラップが速くなります。
北九州記念では前半32秒台中盤になる事も多く、その上で直線が平坦で上がりもかからないので前半部分のスプリント性能が高い馬がとにかく走る傾向にあり、今年もアイビスサマーダッシュの1、2着がそのまま好走しました。
その北九州記念に比べるとテンのスピードは若干劣って33秒台前半ぐらいになるのが小倉2歳ステークスの特徴。そりゃ2歳馬でキャリア1戦の馬ばかりですから、古馬の一流スプリンターたちほどスピードがあるわけがありません。それでも前半33秒台前半で行くとこの時期の2歳馬にとってはかなり厳しいペースと言ってよく、終いのラップはかなりかかるのがこのレースの特徴。以前は開催最終週という事もあって、この終いのラップがかかる部分で差し馬が台頭してくる事も多かったレースで、2014年などはオーミアリスが大外一気で大穴を開けました。
近年はエアレーション作業の影響もひと段落して最終週まで速い馬場になる傾向。前半が33秒フラットぐらいで行っても今の小倉の馬場で大外一気が決まるとは思えず、北九州記念のようにある程度の位置で立ち回った馬が上位を独占すると思います。
血統傾向
この血統傾向も基本的には激流スプリント戦をイメージすればだいたい理解できるようなもの。前半部分に追走エネルギーを使うレースラップになるので溜めて良さの出るサンデーサイレンス系は強調できないレース。父か母父にダート短距離血統を持つ馬の成績が圧倒的で、それ以外でも父サンデーサイレンス系よりは非サンデーサイレンス系の方が好走率が良いです。これは上がりがかかって消耗戦の様相になった時に粘り込める持久力が問われる部分もあるからではないでしょうか。
父サンデーサイレンス系で走るのはほぼダイワメジャー産駒とキンシャサノキセキ産駒の2つのみ。どちらも非サンデーサイレンス系がよく走るレースで例外的に走るサンデー系で、早熟傾向あって仕上がりが早く、それでいてスピードに特化しているので前半部分に負担がかかるレースへの適性が高いのがその理由でしょう。
と言うわけで、このレースは基本的には父か母父にダート短距離血統を持つ非サンデーサイレンス系の馬を買いつつ、サンデーサイレンス系はダイワメジャー産駒とキンシャサノキセキ産駒を重視すれば良いレースだと思います。
考察まとめ
というわけで枠順発表前の小倉2歳ステークスの想定オッズはこちら。
枠順発表前の想定オッズ(当サイト予測)
人気 | 馬名 | オッズ |
1 | ルチアーナミノル | 3.8 |
2 | シングルアップ | 4.5 |
3 | セプタリアン | 5.4 |
4 | ファンタジスト | 6.2 |
5 | ジャカランダシティ | 7.0 |
6 | ミヤジシルフィード | 9.5 |
7 | チュウワフライヤー | 11.2 |
8 | タムロドリーム | 17.6 |
9 | タガノジェロディ | 25.5 |
10 | ブルベアオーロ | 41.2 |
11 | アズマヘリテージ | 44.5 |
12 | アーデントリー | 52.1 |
13 | カシノティーダ | 79.0 |
14 | エイシンノホシ | 88.0 |
15 | セイウンコービー | 175.0 |
16 | ステイグリーン | 188.0 |
単純に走破時計が抜けていて手応えも余裕十分だったルチアーノミノルが1番人気になりそう。それを追うのはフェニックス賞勝ちのシングルアップだと思います。近年はフェニックス賞勝ちというだけで人気にはならなくなってきているので、こちらが2番人気なんではないでしょうか。
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前走は時計が速いだけではなく内容も圧巻。スタートが速くて多頭数レースも経験済みとなると死角は少ない。中枠〜外枠を引くことができれば勝ち負けは堅そうだ。
一方でちょっと危ういと思っている人気馬はこちら。
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前走はスタートこそ速かったが、跳びが大きいのでこのペースについていくのもギリギリだった印象。全兄ブランモンストルはマイルで未勝利を勝っているようにもう少し距離は長い方が良さそう。1400mでスピードの持続力を活かした方が良さそうで、小倉2歳Sではスピード負けすると見ています。
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