今日は12/25(日)に行われる有馬記念のレース考察を行います。中山芝2500mで行われるGI戦です。その前に余談を少し。
昨日の朝日杯フューチュリティステークスはお昼ご飯を食べるまでは◎サトノアレスだったものの、ご飯を食べながら馬場を見直してたらやっぱイン寄りの方がいいかなぁと思い、◎ダンビュライトに変更してしまうという致命的なミス。
競馬を長くやっていると直前での本命変更で得をした場面や損をした場面は良くあることですが、今年の秋は秋華賞の◎ヴィブロス→◎デンコウアンジュと、今回の◎サトノアレス→◎ダンビュライトで2件も失敗したので、来年以降に肝に銘じようと思いました。。。
というわけで、金土とほぼ2日連続の徹夜だったので、月曜起きたらもうこんな時間です。異常にアクセス数が増える有馬記念ウィークなのでこんな時間からでも気合をいれて書きたいと思います。
【2016】有馬記念 予想考察
過去5年のレース傾向
中央競馬で最も重要なレースといえば日本ダービーなんでしょうが、やっぱりこうファンの立場からするとダービーよりも有馬記念が1年で一番特別なレースのように感じられますよね。私個人的にも初めて競馬場に見に行ったのが有馬記念だったので、一年で一番特別なレースだと思っています。
そんな特別なレースである有馬記念ですが、暮れのオールスター戦でありながら、東京ではなく中山競馬場で行われ、しかもメインディスタンスである2400mや2000mではなく、非根幹距離の2500mで行われる、というのがキモのレース。
当然、中山芝2500mなんていう特殊な舞台で行われるレースなので、色濃く傾向が出てきますし。スンナリと人気どおりに決まった年なんてほとんどありません。試しに2000年以降の有馬記念の結果を人気と一緒に振り返ってみると・・・
<2015年>
1着:ゴールドアクター [8番人気]
2着:サウンズオブアース [5番人気]
3着:キタサンブラック [4番人気]
<2014年>
1着:ジェンティルドンナ [4番人気]
2着:トゥザワールド [9番人気]
3着:ゴールドシップ [1番人気]
<2013年>
1着:オルフェーヴル [1番人気]
2着:ウインバリアシオン [4番人気]
3着:ゴールドシップ [2番人気]
<2012年>
1着:ゴールドシップ [1番人気]
2着:オーシャンブルー [10番人気]
3着:ルーラーシップ [2番人気]
<2011年>
1着:オルフェーヴル [1番人気]
2着:エイシンフラッシュ [7番人気]
3着:トゥザグローリー [9番人気]
<2010年>
1着:ヴィクトワールピサ [2番人気]
2着:ブエナビスタ [1番人気]
3着:トゥザグローリー [14番人気]
<2009年>
1着:ドリームジャーニー [2番人気]
2着:ブエナビスタ [1番人気]
3着:エアシェイディ [11番人気]
<2008年>
1着:ダイワスカーレット [1番人気]
2着:アドマイヤモナーク [14番人気]
3着:エアシェイディ [10番人気]
<2007年>
1着:マツリダゴッホ [9番人気]
2着:ダイワスカーレット [5番人気]
3着:ダイワメジャー [6番人気]
<2006年>
1着:ディープインパクト [1番人気]
2着:ポップロック [6番人気]
3着:ダイワメジャー [3番人気]
<2005年>
1着:ハーツクライ [4番人気]
2着:ディープインパクト [1番人気]
3着:リンカーン [6番人気]
<2004年>
1着:ゼンノロブロイ [1番人気]
2着:タップダンスシチー [3番人気]
3着:シルクフェイマス [9番人気]
<2003年>
1着:シンボリクリスエス [1番人気]
2着:リンカーン [4番人気]
3着:ゼンノロブロイ [3番人気]
<2002年>
1着:シンボリクリスエス [2番人気]
2着:タップダンスシチー [13番人気]
3着:コイントス [8番人気]
<2001年>
1着:マンハッタンカフェ [3番人気]
2着:アメリカンボス [13番人気]
3着:トゥザヴィクトリー [6番人気]
<2000年>
1着:テイエムオペラオー [1番人気]
2着:メイショウドトウ [2番人気]
3着:ダイワテキサス [13番人気]
2000年以降の馬券圏内に絡んだ馬の平均オッズは5.14。穴馬を8番人気以下と定義すると、過去の16年間の中で8番人気以下の穴馬が絡まなかった年は4回だけ。ざーーっと見ていただけるだけでもわかるように、ほぼ毎年10番人気以下の大穴が馬券に絡んでいます。
最初は私もキタサンブラックとサトノダイヤモンドの2頭から絞って買うので仕方がないかなぁと思っていましたが、さすがにここまで荒れる傾向を見てしまうと堅く買うレースではないですよね。
他の傾向も見てみると、まぁ有名なところですが傾向としては以下のようなものがあげられるか。
(1)3歳馬が良く馬券に絡むレース
クラシックを強い内容で勝った馬は、ゴールドシップやオルフェーヴルなどを見ても即通用という評価で良さそう。トゥザワールドやトゥザグローリーのように伏兵の3歳馬の台頭もあるので3歳馬は少し評価を上げたほうがいいか。今年は当然サトノダイヤモンドは有力な1頭になるでしょう。
と言っても高齢馬の活躍も目立つレースで、過去5年は5歳馬までの好走しかないですが、過去にはエアシェイディやダイワテキサスが8歳(暮れですからほぼ9歳馬です)で好走しているように、適正あって能力があれば年齢は問われないレースとも言えそう。
(2)余力が重要なレース
ファンにとっては秋シーズンで最も重要なレースですが、陣営にとっては天皇賞、ジャパンカップなどを使っての最後のレース。それだけ馬の疲弊も進んでいるでしょうし、有馬記念が秋4戦目以上となる馬は厳しいというのが近年の傾向。ただ、その常識も浸透しつつあり、有力馬は天皇賞の前に前哨戦を使わなくなりましたし、そもそも有馬記念に適性がありそうな馬は余力を残すために天皇賞をパスすることも多くなりました。今年で言えばキタサンブラックやゴールドアクターはそのパターンですし、あんまり余力なしという馬はいない感じがします。
(3)内枠が有利なレース
もうこのレースは枠順発表の時の陣営の表情を見ても枠順でかなり左右されるレース。昨年、大外枠を引いたマリアライト=蛯名のお葬式のような顔は印象的でしたし、それだけ枠順の有利不利が大きいレースではないでしょうか。
(4)リピーターが良く走るレース
3年連続で馬券に絡んだゴールドシップ。圧倒的な2勝を見せたオルフェーヴル。それ以外にもこのレースだけやたら走ったエアシェイディやトゥザグローリーなど、特殊なコース形態だけに有馬記念だけ走る、という馬が結構出てきます。過去のレースで馬券に絡んだことがある馬は要チェックとしたいです。
(5)宝塚記念とのリンクがあるレース
ゴールドシップやドリームジャーニーの例が顕著ですが、このレースは夏のグランプリ戦である宝塚記念と適性がリンクしやすいレース。どちらも馬場が荒れている時期に行われますし、距離も非根幹距離。その影響で同じような適性の馬が走りやすい印象。宝塚記念で好走歴のある馬はチェックしておきたいです。
血統傾向
このコースはとにかくステイゴールド産駒が庭としている舞台。オルフェーヴルやゴールドシップは能力の絶対値が高かったと言えますが、ドリームジャーニーが当時最強のブエナビスタをやぶっていますし、あのオーシャンブルーでさえ激走しているんだから適性はやはり高いんでしょう。
それ以外ではキングマンボ=キングカメハメハの活躍が目立ちます。この時期のタフな中山の馬場はこの血統の活躍が顕著。昨年のこの時期もヤマカツエースが中山金杯を勝ったりしていましたし、先週のターコイズSでもレッツゴードンキが2着に走りました。
また、このレースはもうなぜだかわからないほどにトゥザ一族が良く走る。母トゥザヴィクトリーが有馬記念で3着という実績があり、その子供たちもトゥザグローリーが2回馬券に絡み、トゥザワールドも2着に好走しました。この一族は有馬記念に出走した経験ある馬は全て馬券圏内に走るので、今年も関連ある馬がいたら要注目。
レースラップ傾向
天皇賞と菊花賞を除くJRAのGI最長距離であるだけあって、メンバーや先行馬の存在で展開はその年ごとにガラリと変わる傾向。2011年なんて2週目の向こう正面に入るあたりはキャンターみたいな遅さでしたし、2014年もただの位置取り勝負でジェンティルドンナが勝ちました。
一方で2013年のように淀みなく流れてのポテンシャル勝負になる年もあり、展開を予想するのが予想の第一な感じもします。
今年はジャパンカップを逃げ切ったキタサンブラックが堂々の主役として登場。どの馬もキタサンブラックに楽に行かせてはダメだ、と思っているでしょうし、それに加えて徹底逃げ宣言をしているマルターズアポジーが出走。キタサンブラックは2番手でもいいでしょうが、楽な先行策になるかは果たして疑問なところ。
それに加えて、今回鍵になりそうなのがサトノノブレスという存在。記憶に新しいところではチャンピオンズカップでノースヒルズ所属のブライトラインがアウォーディーのアシストをするためにコパノリッキーを潰しに行ったタッグ作戦がありましたが、今回のサトノノブレスに関しては里見オーナー+池江厩舎で所有と厩舎が同じ。どう考えてもサトノダイヤモンドで勝つことしか考えてないと思いますし、そうなればキタサンブラックに楽をさせるような展開にはしないはず。幸いなことにサトノノブレスは前へ行ける馬ですし、おそらくキタサンブラック潰しのための出走と見て良さそう。
それらに加えてGIでは確実に積極策を取るデムーロ騎手のサウンズオブアース、エリザベス女王杯での失敗からも早めに仕掛けそうなマリアライト、敵はキタサンブラックだけと強気な競馬をしてきそうなゴールドアクターなどなど、有力馬がキタサンブラックをマークするような形になれば結構ペースが流れそうなんですよね。
そこまでのハイペースにはならないにしても先行馬が楽な展開にはならなそうで、今年は差し馬の台頭があっていい気がしています。
レース傾向まとめ
今日のところはこの辺りにしておきます。出走メンバーはこんな感じ。
現役最強馬としてようやく認められた感のあるキタサンブラックと、3歳最強のサトノダイヤモンドの2頭が抜けた人気になりそう。どちらが1番人気になるのかは微妙なところで、2倍台を分け合うような人気になるんじゃないかと見ています。
正直、能力的にもこの2頭が抜けていると思うので、この2頭軸からで仕方ないかなぁと思っていますが、そこは荒れる傾向ある有馬記念。できる限りこの2頭以外のところから入りたいと現時点では考えています。
ひとまず月曜時点で注目している馬はこの馬です。
*************
*************
前走後のレース回顧で次走注目馬として挙げていた馬。その時のコメントは以下の通り。
「直線ではインを突いて一瞬は突っ込んでくるかと思ったが、最後は前が詰まってしまった。能力の衰えはなさそうで、どこかで差し決まる舞台で一撃かましそう。」
前走が1年半の休み明けからの復帰戦でしたが、超スローペースを後方追走。差してくるだけでも厳しい展開でしたが、その上で直線ではどん詰まりでほぼ追えず。脚色を見てもスムーズなら3着はあったはずで、屈腱炎での休養でしたが能力の衰えはないはず。
もともと牝馬ながら牡馬混合戦ばかりを使われてきた馬で、実績を見てもジャパンカップ2着や宝塚記念2着など、牡馬相手でも互角以上の戦いをしてきた馬。
今回は牡馬の一線級が相手というのと、トリッキーな中山コースがダメっぽく見えそうですが、有馬記念とリンクする宝塚記念で超スローペースを大外一気でラブリーデイと接戦の2着にまで持ち込んだ馬ですし、意外にも急坂ある中山コースは向いて良さそうな感じも。戦績を見ても阪神コースが大得意な馬ですし、セオリー的にも阪神が得意な馬は中山でも走る傾向はあるといっていいでしょう。
そう考えるのも2年前に出走した2014年の有馬記念の内容が悪くないから。その時のレース回顧では以下のようなコメントをしていた。
「直線で二回前が開かずに最終的に大外へ出した。外へ出してからの伸び脚は圧巻で、詰まってなかったらあわや大穴馬券もあった。力は通用する。来年忘れられての一発を。」
結果的には屈腱炎で昨年の有馬記念には出走できなかったが、阪神大賞典と宝塚記念で穴を開けて、この時の回顧が間違っていないということを示した。
現在の中距離路線は現5歳世代が弱かった(モーリスはマイル路線でしたし、トーホウジャッカルは厩舎力のなさで脱落)ということ、そしてドゥラメンテの電撃引退でお世辞にもレベルが高いとは言えなそう。だからこそ5歳世代の伏兵程度の馬だろうサウンズオブアースぐらいでもGIで通用できちゃうんだと思います。それを考えればこの馬が戦った2年前の有馬記念の方が圧倒的にレベルは上でしょうし、本当に忘れられた今年は相当面白い穴馬になると思います。
最後に血統面についても少し触れますが、父ディープインパクトは良いとして母父はこのレースで相性抜群のキングカメハメハ。そして一番面白いのがこの馬の祖母がベネンシアドールだということ。このベネンシアドールが産んだ初子こそトゥザヴィクトリーで、この馬もトゥザ一族として考えてもいいはず。
「前走不利あっての最速上がり」
「ペースが流れそうな展開」
「現在の中距離レベルの低さ」
「ゴールドシップやラブリーデイに肉薄した地力」
「宝塚記念での激走から見る有馬への適性リンク」
「キングマンボの血」
「トゥザ一族の血統」
などなどを考えても、今回狙うべき価値は相当あると言える馬。単勝人気ではおそらく12、13番人気くらいになると思いますが、、、
今年の有馬記念はバルザローナ騎手とデニムアンドルビーのコンビに、2016年最後の夢を託したいと現時点では考えています