ヴィクトリアマイル2021(東京芝1600m)の考察です。
5月16日に東京競馬場で開催され発走時刻は15:40です。出走馬はグランアレグリア、レシステンシア、デゼル、マジックキャッスルなど。東京競馬場の芝1600mで行われるGIです。今回の記事では過去データやレースラップ、血統、予想オッズなどを考察いたします。
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ヴィクトリアマイル 2021 考察
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レース傾向
先週末のNHKマイルカップと同じ東京芝1600mで行われる牝馬限定のGIレース。その先週のNHKマイルカップも1:31:6という非常に速い時計が出ましたが、このヴィクトリアマイルに関しても高速決着に対応できるかが鍵になります。
以前から速い時計が出る傾向のレースでしたが、ここ2年ほどは高速設定の馬場になっていることと、単純にサラブレッドのクオリティが上がっているために凄まじい走破時計の連続。
【2019年】ノームコア 1:30:5
【2020年】アーモンドアイ 1:30:6
ご覧の通りで2年連続で1分30秒台中盤という凄まじい決着時計に。以前はこんな時計なんて本当に出るのか、と思うぐらいでしたが、最近はこれぐらいの時計も驚かなくなってきました。
今年のヴィクトリアマイルも週末の晴れ予報が前提ですが、NHKマイルカップで1:31:6の時計が出るくらいですから1分30秒台の時計はほぼ間違いないはず。この時計で走れるかどうか、という点が最重要ポイントでしょう。
では、どんな馬が高速決着にも対応して走ってくるのか？
大体の人は過去の持ち時計を見て「この馬は高速決着に強い！」と考えると思うのですが、正直そういう考えは意味がないと思うのですよね。今の高速馬場になると普通に強い馬で道中の流れさえ乗れてしまえれば速い時計にも対応できちゃう馬が多いです。それこそ昨年末の朝日杯FSのステラヴェローチェなんて時計不安が囁かれながらもあっさり対応してきました。
そんなわけで高速決着に対応できる目安として3点のポイントをあげておきます。
（１）勢いある全盛期の「旬」なサラブレッドであること
一般的にスタミナ面は高齢馬でも問題なく対応できることが多いですが、スピードや瞬発力の面に関しては若駒の方が有利というのが競馬界の通説。このヴィクトリアマイルは前半〜道中スピードが速い上に速い上がりも要求されますから、単純に衰えていない全盛期のサラブレッドであることが重要になりそう。昨年のサウンドキアラなんかは勢いがあって全盛期という部分で一気に時計を短縮してきました。
（２）短距離路線を使ってスピードを補完している
ローテ面で重要なのは短距離を使ってきているか、ということでしょう。最もわかりやすいのは2年連続でヴィクトリアマイルを勝利したストレイトガールだと思いますが、この馬はスプリンターズステークスを勝利しているように短い距離で活躍してきた馬。そんな一見するとマイルでは距離が長いんじゃないか、と思うぐらいの馬の方が、高速決着のヴィクトリアマイルでは有利になります。
昨年の2着馬サウンドキアラも芝1400mの京都牝馬ステークスを勝利していましたし、3着馬のノームコアは芝1200mの高松宮記念からの参戦でした。今年は高松宮記念から参戦してくる馬がやたらに多いですし、そこからくる馬には注目したいところ。
（３）米国ダート血統を保持していることでスピードを補完している
こちらに関しては後ほど血統面のところで詳しく解説します。
POINT1 → とにかく高速決着になりやすいマイルGI。今年も高速馬場なら1分30秒台中盤ぐらいの決着になる。
POINT2 → いかに高速決着に対応できるかが重要。その目安として重要なのは「勢い・旬」「短距離実績」「スピード血統」の3点。
レースラップ分析
スタート直後はしばらく下り坂で、なおかつ３コーナーまでの距離が長いために前半のペースが速くなりやすく、３コーナー手前で一旦坂を登った後から再び緩やかな下り坂になるので阪神マイルでは息が入る部分のコーナー地点でもペースが緩みにくい。その上で直線が長くて坂があるわけですから地力が問われるというのは言うまでもないでしょう。
高速馬場で先行馬の前への意識が速くなりやすい上に、この時期は牝馬の短距離タイプの馬が目指すレースも他にないので少々距離が長いと思う馬でもここに使ってきやすい。そんなわけでこのレースは前半〜中盤ペースが全く緩まないのが特徴です。
イメージとしてはスプリント戦を全力で走った後にプラスで400mを走るようなレースという感じ。もう最初のスプリント戦の区間でレースの流れに乗れない馬は論外という感じのレースになりやすく、そんなわけで前項でも述べた通りに短距離実績がある馬が有利になりやすいんでしょう。
今年もイベリス、ディアンドル、クリスティ、スマイルカナ、レシステンシアなど先行タイプの馬が多い感じですし、まず間違いなく前半から中盤が緩まない擬似スプリント戦のようなラップになるんじゃないでしょうか。
POINT1 → 毎年のように前半から中盤が淀みなく流れて速いペースになりやすい。
POINT2 → スプリント戦を走ってからプラスで400mを走るようなレースというイメージで、最初のスプリント区間に対応できない馬は好走できない。
血統傾向
ディープインパクト産駒が過去5年で素晴らしい好走率。ただ、馬場状態によって好走するディープインパクト産駒のキャラは変わってくる感じで、雨で馬場が渋った2017年と2018年は母父ダンシングブレーヴ、母父エリシオといった欧州系統の血を持っているディープインパクト産駒が好走。一方で高速馬場の年はスピード系統の血を持っているディープインパクト産駒が好走しています。
このレースはもう何度も書かれていることですがヴァイスリージェント系の成績が非常に優秀。NHKマイルカップでもこの血統の優位性は書きましたが、淀みなく流れるペースに対応できるスプリント性能を補完する上でこれ以上ないぐらいの適性を見せているんでしょう。
ヴァイスリージェント以外にもとにかくアメリカのスピード血統を持っている馬が有利。それは最初の項でも書いた通りで高速決着に対応するための必須項目だからという感じで、近年のレース傾向からも、、、
ディープインパクト系＋アメリカのスピード血統（かそれに近い血）
という配合の馬がヴィクトリアマイルでは有利になる感じはします。
POINT1 → ディープインパクト系の成績が優秀だが、その年の馬場状態によって走る血統キャラは変わってくる。
POINT2 → 昔からヴァイスリージェント系の成績が優秀。それ以外にもアメリカのスピード血統は強調できる。
POINT3 → ディープ系＋アメリカのスピード血統という配合はいかにも有利になりそう。
考察まとめ
というわけで枠順発表前のヴィクトリアマイルの想定オッズはこちら。
枠順発表前の想定オッズ（当サイト予測）
| 人気 | 馬名 | オッズ |
| 1 | グランアレグリア | 1.3 |
| 2 | レシステンシア | 4.4 |
| 3 | デゼル | 8.7 |
| 4 | マジックキャッスル | 16.7 |
| 5 | テルツェット | 24.5 |
| 6 | サウンドキアラ | 32.0 |
| 7 | ダノンファンタジー | 35.2 |
| 8 | マルターズディオサ | 38.4 |
| 9 | ランブリングアレー | 42.0 |
| 10 | スマイルカナ | 44.2 |
| 11 | リアアメリア | 51.0 |
| 12 | シゲルピンクダイヤ | 64.0 |
| 13 | ディアンドル | 94.0 |
| 14 | プールヴィル | 95.0 |
| 15 | クリスティ | 112.0 |
| 16 | イベリス | 143.0 |
| 17 | レッドベルディエス | 266.0 |
| 18 | アフランシール | 272.0 |
もうここは歴史的名馬だろうグランアレグリアの断然人気と見て間違いない。単勝は1.3倍ぐらいじゃないだろうか。2番人気もレシステンシアが抜けた感じで支持されるだろう。おそらく3番人気のデゼルまでが単勝10倍を切るぐらいで、それ以下は一気に離されるようなオッズになりそうです。
※今のレベルの高い競馬ファンたちに勝つためには事前にどういうオッズになるのかを把握しておくのが重要。あなたが買おうとしている馬が果たして穴で買えるのか、それとも穴人気してしまうのかは最初から考えておきましょう。というわけで、今年から玄人層に買われて穴人気しそうな馬をピックアップしておきます。
玄人人気ターゲット馬＝特になし
今回はライト層も玄人層も全員がグランアレグリアとレシステンシアを買いそうなので、特に変に人気する馬はいないんじゃないでしょうか。
最後に現時点で面白いと思う馬をピックアップ！
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ここでグランアレグリアなんて書いてもさっぱり面白くないのでそれ以外の馬をチョイス。
3歳クラシック期間は我慢して中距離戦を使っていたが、やはり適性はマイル以下の距離だった感じで、ここ２戦は短距離戦で見せ場十分のレースぶり。父の産駒は牝馬なら高速決着に対応できることを最近のGIレースで証明していますし、母父ゴーンウエストでバリバリの米国スピード血統。
前走で芝1200mを使って追走スピードを強化している点も魅力で、なおかつ2走前は1400mのミドルペースを先行して好走。おそらく今回は人気がないと思いますが、これまで見てきたヴィクトリアマイルの好走パターンに最も合致するのはこの馬じゃないでしょうか？
一方でちょっと危ういと思っている馬はこちら。
↓↓↓
デゼル
前走が初めてマイル戦を使われて勝利となりましたが、差し有利な馬場でスローペースで追走も楽だったのであんまり評価はできなそう。今回は前走より1秒は追走スピードは上がるはずで、母がフランス血統ということを考えても追走すらままならなそう。ヴィクトリアマイルでぶっ飛ぶ人気馬の典型例な感じがします。
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